犬の生態・習性
犬の特性としつけについて
オオカミを祖先とする犬は、群れ社会を形成して生活しようとするので、群れの安定した生活を維持するため、強弱の順位を形成し、リーダーに従属する習性を生まれながらにもっています。
同様に飼い主の家庭は犬にとっては一つの群れであり、家庭で犬の欲求に従い犬の言いなりになっていると、犬は自分が群れの中で上位のものとして行動することになります。
犬は生後2ヶ月で、じゃれて咬んだり、リードを引っ張ったりするなどの優位・支配性を誇示していきます。さらに、7〜8ヶ月になると、手に余る問題行動を起こすようになり、生後1〜3年にもなると完全に犬が自信をもち、ボスとしての地位を獲得し、弱い下位のものを従わせようとして、家族を取りしきるようになります。そして、しつこく吠えたり威嚇したり、散歩に連れ出せば、群れのリーダーとして先頭を歩き、行きたい方向へ飼い主を引っ張りまわしたり、すれ違う犬たちに吠えたりといった攻撃的な行動をとったりします。このような状況となっては、飼い主にとっても、ご近所にとっても望ましい関係でないことは明らかです。
一方、ボスとなった犬も、自分自身では餌を得ることが出来ないなど、人間社会で同居するための同調が困難となり、すべてがストレスとなります。そして、欲求不満が強くなって問題行動を引き起こし、飼い主や近隣住民を悩ますだけでなく、犬自身が短命になるという説もあります。このような関係を生じさせないためには、犬の本能を理解し、しっかりとしつけを行なう必要があります。
犬と幸せに暮らすために
しつけをすることは、犬が人に従順に従うことを身につけさせ、人間社会に同居することにストレスを感じることもなく、犬が幸福な満足感を得て、長命に過ごさせることができる手段であることを理解してください。
また、犬はいつも頼りがいのあるリーダーを求めているため、飼い主に主導力がないような、頼りない、安定感のない順位社会は好みません。
ですから、犬を従属者と位置付けて家族全員が主導的に犬と対応し、群れの従属者として誠実にかわいがっていると、犬は従属的な行動を身につけ従順な対応をするようになります。そして、人間社会にも順応し、何のストレスも感じない素直な犬となって、生涯、情操を安定させ、幸せに暮らしていけるのです。
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