整備方針、事業制度
現状と課題
○島根県において基幹産業の一つである水産業は、魚価の低迷、漁船の老朽化、燃油価格の高止まり、就業者の高齢化及び後継者不足という、厳しい漁業環境が続いています。
○とりわけ、釣り・採介藻などを個人で営む沿岸自営漁業は、県内の漁業就業者の約6割を占め、漁村を支える重要な漁業となっていますが、就業者の高齢化や後継者不足が急速に進み、漁村の活力低下を招いています。
■沿岸自営漁業の漁獲量、産出額の推移
出典:島根県水産課調べ
■沿岸自営漁業の就業者数の推移
出典:農林水産省「漁業センサス」
○これまで漁獲量の増大と操業の効率化を図るため、魚礁などを主とした漁場整備を行ってきましたが、近年、水産生物の生息場である藻場は減少傾向にあり、水産環境の悪化による水産資源の減少が懸念されます。
○多くの漁港施設は高度経済成長期以降に建設され、今後、急速に耐用年数を超過する施設の割合が増加することにより、更新費や維持管理費の増大が懸念されます。
◆外郭施設(防波堤等)・係留施設(岸壁等)の耐用年数50年を経過する施設の割合
整備方針
整備方針は下記の通りです。
漁港整備
持続可能な水産業を確立し、生産性や収益性の向上を図るため、水産物の流通・生産機能の強化に資する漁港整備を進めます。
また、近年の異常気象や大規模地震等による自然災害への備えとして、防災・減災対策を進めます。
・水産流通基盤整備事業 ・水産生産基盤整備事業 ・漁港施設機能強化事業 ・地域水産物供給基盤整備事業(農山漁村地域整備交付金) |
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漁場整備
水産物の安定供給を図るための魚礁整備などに加え、近年、減少傾向にある藻場の回復・保全を図るため、藻場回復ビジョンを策定し、ハード・ソフトが一体となった対策を進めます。
・水産環境整備事業 |
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漁村整備
漁業生産活動の基地である漁村を維持するため、集落排水施設や集落道整備などの環境改善により、新規就業者が定住しやすく、高齢者の生活にも優しい漁村づくりを進めます。
・漁業集落環境整備事業(農山漁村地域整備交付金) |
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海岸整備
高潮・波浪・津波等の被害や海岸侵食から守るための海岸保全施設について、海岸利用や周辺環境に配慮した整備を進めます。
・海岸環境整備事業(農山漁村地域整備交付金) |
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長寿命化対策
漁港施設等の老朽化が進む中、施設利用者へ安全安心を提供するため、施設ごとに長寿命化計画を策定し、適切な維持管理を行うとともに、更新コストの平準化・縮減を図ります。
・水産物供給基盤機能保全事業 ・漁業集落環境整備事業(農山漁村地域整備交付金) ・海岸堤防等老朽化対策事業(農山漁村地域整備交付金) |
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事業制度
漁港整備等の実施にあたっては、国、県の長期計画に沿った事業計画を策定し進めます。
国の長期計画:漁港漁場整備長期計画(令和4年度~令和8年度)(外部サイト)
県の長期計画:圏域総合水産基盤整備事業計画(令和4年4月)
県では圏域総合水産基盤整備事業計画において、拠点漁港を以下のとおり定めています。
・流通拠点漁港:浜田漁港、和江漁港、大社漁港
・生産拠点漁港:恵曇漁港、小伊津漁港、仁万漁港、大浜漁港、西郷漁港、浦郷漁港
◆実施している主な事業(国の予算補助を受けるもの)
お問い合わせ先
水産課
≪お問い合わせ先≫ 島根県農林水産部水産課 住所:〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 電話:0852-22-5312 FAX:0852-22-5929 Eメール:tobiuo@pref.shimane.lg.jp