漁港漁村の歴史文化財産の紹介
会津屋八右衛門氏頌徳碑
(あいづやはちえもんししょうとくひ)
〈浜田漁港〉(浜田市松原町)
解説
今から約170年ほど前(江戸時代・天保年間)、松原の廻船問屋、会津屋八右衛門は、家運の盛り返しと窮迫した浜田藩の財政に寄与するため、外海に向けて何とか活路を開きたい一心で、浜田藩勘定方橋本三兵衛らと当時禁止されていた海外密航を企てました。
はじめは、竹島(現在の鬱陵島)から大きい竹や珍しい木、大きい鮑等を持ち帰っていましたが、次第にエスカレートし、朝鮮・中国等と交易を進めるようになりました。これにより八右衛門は巨利を博し、浜田藩にも莫大な献上金を納め、藩財政の確立に大いに役立ちました。
しかし、天保7年(1836年)夏、薩摩藩の密貿易を内定するため山陰道を通った間宮林蔵に感ずかれ、大阪西町奉行矢部駿河守定謙の探索によって摘発され、橋本三兵衛と共に捕らわれました。
当時禁止されていた海外密貿易を行った事は、規則に逆らうと言う意味においては、決して許されるものではありません。しかし、浜田のまちや人々の幸せのために行った事として、昭和初期以降「郷土浜田のために尽くした人」「対外貿易の先駆者」等と評価されるようになり、まちを愛し、自らの知恵と行動力と責任によって、すばらしいまちをつくれる人々を育成する運動「八右衛門運動」が広げられています。
写真は、昭和10年(1935)12月23日に浜田市松原自治協会によって建てられた、内閣総理大臣海軍大将岡田啓介の書による「会津屋八右衛門氏頌徳碑」。
周辺の見どころ
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