隠岐地域は、島根県全体の漁獲量の約7割を占めるなど県内でも特に水産業の盛んな地域です。地域では、多くの方が水産業に従事し、多種多様な魚種が漁獲されるなど、重要な産業のひとつとなっています。

　地域の将来を担う子供たちに、地域の基幹産業である水産業並びに地域の財産ともいえる水産物についての理解をより一層深めるため、隠岐支庁水産局では、座学や調理･試食を組み合わせた体験型水産教室を行っています。

　今年度は、7～12月にかけて隠岐の島町内の5校（有木小、都万小、西郷小、中条小、隠岐養護学校）で開催しました。

　このうち、隠岐養護学校で開催した水産教室の内容を紹介します。

　まず座学では、島根県の漁業の概要や、隠岐で行われている漁業やとれる魚の種類、水産業が抱える課題や解決するための取組みを紹介しました。島根県の海面漁獲量が毎年のように全国でトップテン入りしており、そのうち隠岐が約７割を占めることを説明すると、驚きの声が上がりました。生徒たちは興味深そうに耳を傾け積極的に質問をしており、身近にある隠岐の水産業に強い関心を抱いていました。

　次に調理実習は、隠岐の島町漁業集落の魚食普及活動と共同で行いました。講師はJFしまね西郷支所女性部の林さんと土井さんです。白いか（ケンサキイカ）を１人２杯ずつ、異なる切り方でさばき、煮つけとバター炒めを調理しました。生徒たちは丁寧な包丁さばきで楽しみながら調理を行っていました。

　このように、地域の方たちとも協力しながら子供たちに隠岐の水産業の魅力を知ってもらい、学んでさわって食べてみて五感で隠岐の水産業を感じてもらうことができました。今後も引き続き水産教室を実施し、未来を担う子供たちが地域の水産業に関心を持つようになってくれることを期待しています。