１特定母樹とは

県内で植栽されるスギやヒノキの苗木は、県が管理している「採種園」で生産された種子から育てられています。品種は「精英樹」といい、成長が良いのが特徴です。

そして近年、国の研究により精英樹よりさらに成長が良く、まっすぐで強度が高く、花粉が少ない等優秀な遺伝子をもつ樹木として「特定母樹」を指定する制度が誕生しました。

特定母樹由来の苗木を植栽することで、植栽から主伐までの林業の1サイクルが短縮できるので林業コストの低減につながり、地球温暖化や花粉症対策にも貢献することが期待されます。

このように、苗木を生産するうえで欠かせない種穂を採取する樹木として、特定母樹は重要な役割を担っています 。

２選抜方法と指定基準

　 令和2年度から県内の次代検定林（木の成長を調べるために設定した試験林）で次の４項目について調査を行い、特定母樹の候補を選抜しました。令和3年度に島根県として初めて農林水産大臣に申請を行いました。

　成長量：従来の系統と比較して材積が1.5倍以上

　剛性：同様の林分の個体の平均値と比較して優れている

　※「剛性」とは曲げやねじりの力が加えられたときに変形が起こりにくい性質のこと

　幹の通直性：曲がりが全くない、または曲がりがあって採材支障がない

　花粉量：一般的なスギやヒノキのおおむね半分以下

３指定された特定母樹一覧

　令和4年度末時点でスギ5品種、ヒノキ9品種が登録されました。令和5年度も調査を継続し、登録品種の追加に向け準備中です。

４今後の予定

　特定母樹を増殖・育苗し、種子を生産する採種園の造成を行います。なお島根県で登録された特定母樹のほかに、島根県と似た気象・風土を持つ他県で登録された特定母樹の採種園造成も並行して進めます。

　生産した種子は県内の苗木生産者へ配布・育苗され山行苗として主に県内の山林で植栽されます。

　 特定母樹の苗木が普及していくことで林業コストの低減が見込まれることから、引き続き、優良種苗の安定生産・供給に努めてまいります。

　ヒノキ特定母樹採種園

　スギ特定母樹採種園（閉鎖型）

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