施設果菜類の有機栽培実証をおこなっています
平成24年度から施設果菜の有機栽培実証をトマト・キュウリで行った結果、良質苗の確保、土壌病害対策、天敵利用での課題を見出し、それらへの対策を試験しています。
施設野菜では、果菜類を中心とした有機栽培実証を組み立てるため、トマト・キュウリで試作を行いました。
各品目の育苗は慣行栽培の育苗と同時に行いましたが、有機栽培苗は、播種後2週間頃から慣行栽培苗に比べて生育が遅れ、葉色も淡いように思われました。
夏作トマトでは、結実用のホルモン処理が不要な大玉トマト‘ルネッサンス’とミニトマト‘ネネ’を用いて栽培をしました。‘ルネッサンス'は定植後1ヶ月頃から青枯病が
発生し約半数の株を抜き取りました。一方、‘ネネ'では青枯病の発生は見られず、慣行栽培よりも収量は多くなりました。
夏作のキュウリでは、定植直後からアブラムシ類やタバココナジラミの発生が見られ、有機栽培で使用可能な薬剤防除を行いましたが、増殖を抑えられず収量は慣行栽培より低くなりました。また、収穫終了後にネコブセンチュウの発生が確認されました。
以上から、(1)初期生育のよい苗をつくる、(2)ネコブセンチュウ及び青枯病等の土壌病害虫対策の実施、(3)天敵の活用といった課題が考えられました。
今後は、初期生育のよい育苗培土の検討や、土壌還元消毒及び接ぎ木苗の活用並びにビニールマルチとリビングマルチ(※1)の比較等を行いながら、よりよい栽培体系の提案を目指し取り組んでまいります。(写真1,2)
図1ミニトマトの収量比較
図2キュウリの収量比較
写真1トマトのビニールマルチ栽培(H25)
写真2トマトのリビングマルチ栽培(H25)
※1リビングマルチ:栽培作物とは別の作物をは種して、栽培期間中に地表を覆わせること(実用日本語表現辞典より)
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問い合せ先:栽培研究部野菜科(担当:奥野かおり、石津文人)
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