‘シャインマスカット’商品性向上のための植物の生長調節剤処理方法
ブドウ‘シャインマスカット’の商品性向上には、開花前に2ppmの
フルメット養液の花房散布処理を行い、満開期に25ppmのジベレリン養液に
混用するフルメットの濃度を5ppmに高めると商品性が向上しました。
ブドウ‘シャインマスカット’は、県内の栽培面積が約20haに増加し、
成木化に伴って出荷量も年々増加しています。しかし、房しまり、粒張りが劣ったり、
カスリ症の発生した果房も多く出荷されています(写真左)。
そこで、フルメット液剤処理の改善による商品性向上効果を検討しました。
これまで、‘シャインマスカット’の植物生育調整剤処理は、満開期にジベレリン
(以下GA)25ppm+フルメット3ppm混合溶液の、また満開後10ー15日にGA25ppm
の各浸漬処理を行っていましたが、この方法では外観品質が劣る傾向がありました。そこで、
展葉8枚期のフルメット2ppm溶液の花房散布処理を行い、さらに満開期のフルメット処理濃度を
3ppmから5ppmに高めて処理したところ、房しまりおよび粒張りが明らかに向上しました(写真右)。
また、特に亜表皮細胞層が厚くなることにより、カスリ症の発生も減少しました(図)。
しかし、盆前出荷をめざした加温栽培では、展葉8枚期のフルメット2ppm処理によって果穂軸が
過度に伸長することによって、逆に房しまりが低下する園がみられることから、その原因解明と
対応策について検討中です。
写真上左;慣行処理果房 写真上右; 展葉8枚期のフルメット2pm花房散布
満開期GA25ppm+フルメット5ppm
写真下左:慣行処理果房 写真下右;満開後15日 GAppm処理果房
図 開花前フルメット処理が果皮厚に及ぼす影響
印刷用:PDFファイル(828KB)
問い合わせ先:栽培研究部 果樹科(担当:持田圭介、内田吉紀)
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