移動型少量培地耕(トロ箱栽培)が現地で拡大!
水稲育苗後のハウスを利用した園芸導入に向けて、当センターが開発した「トロ箱栽培」がたくさんの集落営農組合、施設野菜の経営体に取り入れられ、今年度時点での累計の導入実績が4.1haとなる見込みです。
■ 課題の背景とねらい
島根県では、集落営農を推進する中で、米価の低迷等から経営の多角化に取り組む必要が生じました。その方策として、水稲育苗後のハウスでの園芸品目の土耕栽培を検討しましたが、水稲の育苗前に土を均平に固め直す必要などから導入が進みませんでした。
そこで、当センターが移動型少量培地耕「トロ箱栽培」を開発し、その普及を図るために現地実証ほを設置して取り組むこととしました。併せて、土壌病害等への対応として、施設野菜農家等への導入も推進し、生産性の向上を目指しました。
※移動型少量培地耕「トロ箱栽培」
:発泡スチロール製のトロ箱にヤシガラ、腐葉土、もみ殻炭を培土として詰め、養液配管を設置して栽培する方法。軽量で安価なため、高齢者でも容易に設置・移動が可能。水稲育苗が終わった後のハウスの有効利用や、連作障害対策、新たな品目導入に効果的な技術です。
■ 現地普及の状況
・平成21年より本格的に普及を開始。23 年で3.3ha。導入数は、集落営農、育苗センター、担い手農家など48カ所になりました。
・平成24年は、農業法人や集落営農組織で0.8ha増加の見込です。
■ 現地実証ほ事例
・A事例(松江市)
ミニトマト、トマトを6aで栽培、売 り上げは県の経営指標を達成。
集落営農により女性が労働参加し、地 域が活性化しました。
近傍の集落営農でも導入され、相互に情報の共有化を図って技術改善を実践。
・B事例(大田市)
アムスメロンを8a栽培、売り上げは県の経
営指標を春作、秋作とも達成
当センター指導の日射比例灌水法の導入で95 %の可販率を実現。今年度は約30aに増反。
春メロン+秋メロン+冬レタス作型を確立。
地域に波及し、新規栽培希望者が増加。
・C事例(雲南市)
育苗センターの遊休期間にハウス5棟を活用して、トロ箱栽培で小玉スイカ、カラーピマン、ミディトマトなどを栽培。
産直市やレストランなどへの販売を実践中。
図1 栽培面積と導入戸数の推移 写真1 小玉すいかの栽培
問い合せ先:技術普及部 野菜技術普及グループ(担当:引野千嘉志、鶴永健治)
印刷用ページ:PDFファイル(754KB)
お問い合わせ先
農業技術センター
島根県農業技術センター 〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380 nougi@pref.shimane.lg.jp <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方> 迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。 以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。 @pref.shimane.lg.jp