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えんぴつ削りを使ったナシの簡単な接ぎ木方法

 

 えんぴつ削りを使ったナシの簡単な接ぎ木を考案しました。これまでのナイフを使った難しい穂木の調整や接ぎ木テープを用いた手間のかかる穂木の固定をしなくてもよい技術です。

 

 ナシ園を新たな品種へ更新する場合、新たに苗木を植え付けるか、既存の樹へ接ぎ木(高接ぎ)を行う方法があります。前者は、成木となるまで年月がかかるため、多くは主枝などへの高接ぎを実施しています。これまでの高接ぎ方法は、ナイフを用いて穂木と台木の複雑な調整を行い、接ぎ木テープでしっかり固定する手間のかかる作業でした。そこで、えんぴつ削りを用いて穂木調整を行い、台木の剥皮方法を工夫することでテープによる固定作業を省略する接ぎ木方法を検討しています。

 

1.穂木の調整
えんぴつ程度の太さ(8mm)の穂木を10cm程度にカットし、先端の1芽以外は芽かきします。その後、えんぴつを削る要領で調整します。穂木は乾燥防止のため、あらかじめメデールテープなどで全体を保護しておきます。

 穂木の調整(鉛筆削り)削った穂木

2.台木の調整
ナイフを使って逆さ「へ」の字型にしっかり切れ込みを入れ、樹皮を剥ぎます。剥皮はマイナスドライバーなどを使うと便利です。ただ、休眠期は剥皮できないときがあります。接ぎ木の適期は3月下旬から4月上旬です。

 台木の調整ー1台木の調整2

3.接ぎ木の実施
穂木は、樹皮の中に簡単に動かなくなるまでしっかり差し込みます。えんぴつ削りで調整した穂木の基部が、樹皮側と幹側の両方に密着していることを確認します。

 接ぎ木ー1接ぎ木ー2

 

 接ぎ木後、木工用ボンドで傷口を保護し、雨水が接ぎ木部分に入り込まないようにします。10日ほどで接ぎ木部分の傷口の回復が始まり、2か月程度経てば新梢の誘引をすることもできるようになります。

 ボンドによる保護半年後



問い合せ先:栽培研究部果樹グループ(担当:内田芳朋)TEL0853−22−6948
E_mail:nougi@pref.shimane.lg.jp

 

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お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
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