研究トピックス「ときめき363号」2010年7月10日
除草剤施用後の水管理が農薬流出に及ぼす影響
水田からの除草剤の流出を防止するため、散布後7日間入排水しない水管理法の有効性を調査しました。その結果、慣行と同等の除草効果と降雨等による農薬流出の防止効果が確認されました。
水田に施用する除草剤は、河川や湖沼への流出を防止するため、散布後1週間程度は落水しないよう指導されています。しかし、現地では田面の露出による除草効果の低下を恐れて深水で管理されることがあり、急な降雨の際に田面水が流出する危険性があります。
そこで、除草剤(一発処理剤)散布後7日間は水田に用水を入れない区(試験区)と給水して深水状態で管理をする区(慣行区)を設定し、田面水の除草剤濃度と除草効果を比較しました。
除草剤(成分名:インダノファン)の濃度は、散布1日後が最も高く、その後急激に低下しましたが、試験区は慣行区より田面水が少ないため、除草剤濃度は高く推移しました。(図1)
試験期間中に試験区の水位は約20mmまで低下しましたが、除草効果は慣行区と差がありませんでした(表1)。
また、散布4日後の20mmの降雨によって、慣行区では排水路への農薬の流出が認められましたが、試験区では流出しませんでした。
なお、日本植物調整剤研究会の全国87地点の調査結果によると、田植後7日間入水せずに田面が露出しても除草効果はほとんど低下しないと報告されています。
問い合せ先:資源環境研究部土壌環境グループ(担当:長崎洋子)TEL0853−22−6984
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