細断型ロールベーラによる長大作物の収穫調製技術

要約：国産粗飼料の自給率向上の切り札として、新しく開発された細断型ロールベーラによるトウモロコシのラップサイレージ方式について調査し、作業性、経済性及び品質の三拍子揃った収穫調製技術と高く評価出来ました。

トウモロコシは、牧草や飼料作物の中で最も収量や栄養価が高い作物ですが、収穫調製作業が重労働、生産費が嵩む、変敗ロスや鳥獣被害が多い等の理由から近年急速に栽培面積が減少しています。

　そこで、これらの問題を多少でも解決するため、従来のタワー型気密サイロによる普通サイレージ方式と新しく開発された細断型ロールベーラで収穫調製しラップフィルムで密封するラップサイレージ方式の２方式について、作業性、経済性及びサイレージ品質等を比較検討しました。

　その結果、細断型ロールベーラによるトウモロコシ等の長大作物の収穫調製作業は、収穫から調製・貯蔵までの作業工程が単純かつ機械化され省力、軽労化が図られるとともに、生産費もかなり安く、かつサイレージ発酵品質も良好で三拍子揃ったサイレージに仕上がりました（表１）。今後、トウモロコシ復活の切り札として熱い期待が寄せられます。

図１細断型ロールベーラ

図２トウモロコシロール

図３自走式ラップマシーン

表１収穫調製方式別の作業性、経済性及び発酵品質

注）フリーク評価とは、サイレージの発酵品質評価法

　問い合せ先：技術普及部畜産技術普及グループ（担当：山根宣秋）

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