農業技術トピック「ときめき」No.3442006.09.20発刊
飼料イネの収穫調製技術と経済性
要約:飼料イネ収穫調製機械化作業体系の効率性や経済性をダイレクトカット方式と予乾方式について比較しました。作業体系により作業性や経済性にかなりの差があり、経営条件に応じて作業体系の選択の必要性が示唆されました。
安全・安心で良質な粗飼料確保対策の一環として飼料イネを推進するためには、高品質で省力的かつ低コストな栽培及び収穫調製技術の確立が課題です。
本県の飼料イネの収穫調製作業は、大別して新しく開発されたホールクロップ専用機で刈り取りと同時にロールにするダイレクトカット方式と既存の機械化体系による予乾方式で行われています。そして、生産利用形態は、畜産農家の自己完結型から集落営農組織等による耕畜連携型、さらには作業受託組織であるコントラクターによる作業委託型のタイプに分けられます。
そこで、本県で取り組まれている作業体系別の作業性や経済性について調査しました。その結果、飼料イネを直接ロールにするダイレクトカット方式は、作業が単純で作業効率は良いが、やや生産費が高いことと水分含量が高いため作業の軽労化等の課題が残りました(表1)。そのため、労働力や機械装備等の経営条件に応じた作業体系の選択が示唆されました。
図1小型予乾方式
図2小型ダイレクトカット方式
図3大型ダイレクトカット方式
表1収穫調製方式による作業性及び経済性(10a当たり)
収穫調製方式 | 水分率 (%) |
ロール数 (個) |
ロール重 (kg/個) |
作業時間 (分) |
生産費 (円) |
製品単価 (円/kg) |
---|---|---|---|---|---|---|
小型予乾方式 | 45.4 |
58.8 |
25.6 |
269 |
55,733 |
37.0 |
小型ダイレクトカット方式 | 60.0 |
40.3 |
38.7 |
246 |
56,303 | 36.1 |
大型ダイレクトカット方式 | 69.2 |
6.7 |
300.0 |
35 |
66,916 | 33.2 |
注)作業時間は、刈り取り、梱包及びラッピングに要した時間で、運搬時間は含まない。
問い合せ先:技術普及部畜産技術普及グループ(担当:山根宣秋)
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