農業技術トピック「ときめき」no.3412006年6月27日発刊
底面給液によるキャベツの良苗生産
簡易な底面給液方式による育苗で、生育揃いの良いキャベツのセル成型苗ができました。
本県のキャベツ主力品種‘松波’では、一般にセルトレイ育苗が行われています。しかし育苗期間後半になると葉が重なりあうため、一般に行われている頭上かん水では各セルに均一に水が入らず、定植後の生育不揃いを招く原因になっています。そこで、簡易な底面給液装置で育苗を行った結果、生育揃いの良い苗を生産することができたので紹介します。
試作した底面給液装置は貯液タンク1個と、プール1個で構成しています。セルトレイは200穴を使用し、セルトレイを入れた育苗箱は下に塩ビパイプを平行に置いて育苗箱底面部が通気されるようにしました(図1)。
給液時は貯液タンクから水中ポンプでプールに送水します。プールには、オーバーフロー用の排水口(プール底面から6cmの高さ)を設けて、水位が一定となるようにしました。ポンプは、水位がオーバーフロー排水口に達してから4分後まで作動するように設定し、停止後のプールの余分な水は、自然排水によって貯液タンクに回収され、再び給液に使用しました。
給液は、第2葉展開期までは水を用い、それ以降はOK-F-17号を3,000倍及び5,000倍に希釈した区を設けて慣行育苗と比較したところ、底面給液ではやや徒長傾向が見られましたが、苗の揃いが良く、根鉢の形成及び地上部の生育も良好な苗を生産することができました(図2)。
今後は更に規模や資材等を検討していきたいと考えています。
図1底面給液装置の概要図2定植直前の苗
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