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ホウレンソウケナガコナダニの発生生態と被害密度

  資源環境研究部 病虫グループ 奈良井祐隆

 

ホウレンソウケナガダニ ホウレンソウを加害するコナダニ類は数種類います。その主要種であるホウレンソウケナガコナダニは本来土壌中に生息する有機物分解者ですが、近年、農薬や化学肥料を減らし、土作りに有機質資材を積極的に活用するいわゆる環境保全型農業において、害虫として認識されるようになってきました。そこでその防除対策を講じるため、本種の発生生態ならびに播種前の土壌中密度と被害との関係を明らかにしました。

 

○結果の概要
発生消長 ホウレンソウケナガコナダニによるホウレンソウの被害は、土壌中で増殖したダニがホウレンソウの新芽部に侵入し食害するものです。被害を受けた葉は正常に成長せず、光沢を帯びた奇形症状を呈します(図1)。
 コナダニ類の土壌中密度は晩秋から春期に高くなり、ホウレンソウの被害も多くなりますが、夏期から秋期には密度が低く被害も少なくなりました(図2)。
 また、ホウレンソウ播種前におけるコナダニ類の土壌中密度とホウレンソウの被害との関係から、被害許容水準が季節によって異なることが明らかとなり、さらに、その密度(100cm3当り:土壌表面から5cmまで)がおよそ30頭以上になるとホウレンソウの被害が大きくなる傾向があることが判りました(図3)。

 

○今後に向けて
 これらの事実を踏まえ、熱による土壌消毒等の農薬を使用しない新たな防除技術(体系)を構築していく考えです。

 

 [島根県農業技術センターだより第5号 2006年11月]

 


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