メロンえそ斑点病抵抗性品種の生育および品質特性
栽培研究部 野菜グループ 石津 文人
資源環境研究部 特産開発グループ 岡崎 愛理
本県のメロン産地では、水田転換畑を中心にえそ斑点病の被害が急速に拡大しています。しかし、臭化メチル代替技術としての太陽熱消毒、薬剤処理の効果は不安定で、現在、有効な防除方法としては、抵抗性品種の利用及び抵抗性台木品種への接ぎ木以外にありません。そこで、近年育成されたえそ斑点抵抗性の新しい品種について、生育や果実品質の特性について調査しました。
○試験概要
えそ斑点病抵抗性の新品種‘Y05-152'と本県の標準品種で、えそ斑点病に抵抗性を有する‘エイネア'、罹病性の‘ナイト夏2'を対照にして、半促成及び抑制作型で比較検討しました。
整枝法は、1本仕立て、11〜15節に1果着果とし、23〜24枚で摘心しました。
○結果の概要
‘Y05-152'の生育や果実品質特性について、次のようなことが明らかとなりました(表1、図1)。
雌花の着生は安定しており、着果も良好でした。果実の肥大性は、‘エイネア'と同程度で、‘ナイト夏2'よりやや優れていました。果形は球形〜やや腰高で、果皮色は灰白で、ネットの盛り上がりがよく、外観は最も優れていました。
糖度は高く安定しましたが、標準品種より果肉色でやや劣り、果肉質は繊維がやや多く認められました。
所内の試験圃場では、えそ斑点病の発生は、各品種とも認められませんでした。うどんこ病は、抑制作型において、標準品種で中程度発生したのに対し、‘Y05-152’は全く発生しませんでした。
○今後に向けて
以上のように、‘Y05-152'は従来の抵抗性品種より、外観がよく、うどんこ病に強いことが明らかとなりました。このような優位性は、エコ農産物への取り組みに有利と考えられます。えそ斑点病の抵抗性については、県内の現地圃場で確認されていますが、今後、幼苗接種検定を行って、検証する予定です。
[島根県農業技術センターだより第5号 2006年11月]
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