Excelを用いた簡易な農業経営計画支援ソフトの開発
総務企画部 企画調整スタッフ 山本善久
農家を取り巻く状況変化の激しい今日においては、経営分析能力や現状把握を通じた経営計画策定の必要性が高まっています。そこで、経営計画策定を効率的に進め、現状分析や経営多角化等、今後の経営の方向性について様々な条件より検討が可能な経営計画支援ソフトを開発しましたので紹介します。
1.システムの特徴と概要
1)特徴と開発のポイント
本システムは以下の点を課題に掲げて開発しました。
(1)農家が使えるシステムであること
入力の簡易さ、省入力、日常用語を使う、結果の分かりやすさ、etc。
(2)汎用性のあるシステムであること
Excelの拡張機能を用いることで、誰でもすぐに実践出来て、独自の改良も可能。
既存ソフト(XLP1))への応用も可能であり、より高度なモデル作成への学習機能を備えている。
(3)地域の実情を反映させることが出来る システムであること
県経営指針データを使用し、県内データを用いたシミュレーションが可能(農業技術センター調査データも随時追加出来る環境を整備する)。
2)動作環境
Windows95以上のパソコンシステムで、尚かつExcel97以上が正常に動作するコンピュータであることが必要です。
なお、Excelのアドインソフトであるソルバー機能2)を用いて計算するため、システムを利用するに当たり、インストールする必要があります。
3)本システムで出来ること
線形計画法3)と試算計画法4)による経営計画シミュレーションが可能です。なお、作目の設定は20体系までの組合せで検討出来るように作成しています。
家族経営から集落営農法人等の大規模経営まで使用可能です。
計算結果は、粗収益、変動費、固定費、所得(最適解)を表示し、損益分岐点分析5)も行えます。また、月別、労働形態別の労働時間及び月別、作目別の労働時間を数値とグラフで表示することが可能です。
4)システムの概要
本システムは、「基本シート」「作目組合せシート」「計算シート」「結果表示シート」「データ一覧シート」の5つのシートで構成されています。
2.実際の使用場面
1)現状分析
実際の経営体系(作目、作付面積、経費、労働時間etc)を入力し、現状の経営における損益分岐点を把握出来ます。
2)所得が最大となる経営体系の把握
[島根県農業技術センターだより4月号]
お問い合わせ先
農業技術センター
島根県農業技術センター 〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380 nougi@pref.shimane.lg.jp <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方> 迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。 以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。 @pref.shimane.lg.jp