西条柿の高付加価値化について
技術普及部 農業環境グループ 中尾 千秋
近年、県内において「あんぽ柿(干柿)」の生産が伸びています。
また市場や量販店などからの出荷要望も強く、県内各産地で生産体制の強化が図られつつあります。
さらに、「あんぽ柿」に加工し、付加価値化することで、農家所得の向上が図れます。
県内の産地は、平田を中心に松江、益田、浜田など7カ所で、平成9年から生産、販売が始められました。
○生産の課題
各産地では毎年10月中旬から12月上旬の2カ月間加工が行われます。
各産地とも、高品質な「あんぽ柿」生産を心がけ、下記のような課題に積極的に取り組んでいます。
1原料に関すること
・安定した良質原料柿の確保
・原料柿の貯蔵中の軟化
2加工技術に関すること
・剥皮作業に時間がかかる(コスト高)
・乾燥機の仕様に応じた加工技術の確立
・大量生産に伴う品質のバラツキ
3流通販売に関すること
・包装出荷後の液だれや変色
・市場の要望に、生産量が追いつかない
・市場単価安と他産地との競合激化
○課題に対する対策
そこで技術普及部、各地域の農業普及部では、今年度から普及指導員の「調査研究」を通して、各産地の課題解決を支援しています。
具体的には、「あんぽ柿」材料専用園の設置、原料柿の取扱方法の改善、大型乾燥機を用いた加工技術の確立や加工期間の延長技術の確立、「あんぽ柿」の色見本の作成などです。
また、主要4産地で県の委託事業により、加工上の課題解決のための試験が行われています。
3月には検討会を開催してこれらの試験結果を共有化し、県全体として「あんぽ柿」品質の高位平準化を図ろうとしています。
○今後に向けて
西条柿の生果価格の低下や市場動向から、ますます「あんぽ柿」生産は拡大することが見込まれます。
そのために、原料生産から加工まで一貫した指導助言に努めていきます。
[島根県農業技術センターだより 第3号 2006年3月]
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