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新野菜‘あすっこ’葉中の糖・アミノ酸含量の11〜2月の変化

 

作物部生物資源グループ春木和久

 

 農業技術センターでは、ツケナの一種で1950年代に旧農事試験場で育成されたビタミン菜とブロッコリーを交配して、葉や花茎を食べることのできる新野菜‘あすっこ’を育成しました(図1)。この野菜は、甘みがありおいしく、くせがないために用途が広いのが特徴です。
消費者に好まれるためには、食べて「おいしい」ことが重要な要因となります。そこで、‘あすっこ’の「おいしさ」が最も良く発揮できる時期を知るために、収穫した葉(図2)の中に含まれる糖とアミノ酸の一種のアスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミンの含量変化を2004年11月〜2005年2月に調査しました。
糖は、果糖、ブドウ糖、ショ糖の3種類が含まれていましたが、その合計は1月から急速に増加し、2月には100g当たり葉柄で約7g、葉身で約4gにまで上昇しました。また、糖の中でもブドウ糖より甘みを強く感じるショ糖が1月から2月にかけて急速に増えました(図3)。これは寒さにあうと甘みが増すことと一致しています。特に葉柄の甘みが強いことが明らかとなりました。
野菜のうまみのもとになるアミノ酸では、葉中100gあたり、アスパラギン酸は20mg前後で大きな変化はありませんでしたが、グルタミン酸は1月頃に50mg程度まで増加しました。また、グルタミンは12月に葉中100gあたり120mg程度まで大きく増加し、その後急速に減少しました。これは、調査前の追肥により一時的に増加したものと考えられます。
これらの調査結果をもとに、気象条件をうまく利用した作型や施肥法を工夫することにより、さらにおいしい‘あすっこ’を安定して生産できるようにしたいと考えています。


あすっこあすっこの葉
糖含量アミノ酸
 

 [島根県農業技術センターだより第3号2006年3月]


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