粒剤による斑点米カメムシ類の防除
斑点米カメムシ対策として、耕種的防除の草刈り等の他は、主に薬剤による防除が行われています。しかし、農家の高齢化や宅地化など圃場を取り巻く環境の変化で、従来の粉剤や液剤など散布剤による防除が困難となり、カメムシ被害増加の一因となっています。このため、より簡便で周辺への飛散の少ない粒剤処理による斑点米カメムシの防除試験を行いました。
スタークル粒剤3kg/10aを出穂から7日間隔で散布時期を変えて施用しました。斑点米カメムシ類をすくい取り(36cm・20回振り)で調査したところ、捕獲数は出穂7日後散布区が最も少なく、次いで出穂当日区、14日後区で、22日後散布区が最も多くなりました。各区とも薬剤散布後はカメムシ類の発生を抑制していますが、散布時期が早い処理区ほどアカスジカスミカメの発生を抑制し、各区の捕獲数の差となったと考えられます。
また、斑点米率は出穂7日後散布区が最も低く、次いで14日後散布区、出穂当日散布区で、22日後散布区が最も高くなりました。無処理区に比較して、高い斑点米抑制効果が認められました。
以上のことから粒剤散布による斑点米抑制効果は高く、防除適期は出穂7日後頃と考えられます。平成16年9月現在、斑点米カメムシ類を防除できる粒剤として、スタークル粒剤、アルバリン粒剤、ダントツ粒剤、ベストガード粒剤が登録されています。
なお、粒剤による防除後も斑点米カメムシが多発生する場合には、従来どおり粉剤や液剤による追加防除が必要となります。薬剤の使用に当たっては、農薬の使用基準ならびに農作物病害虫雑草防除指針の注意事項を遵守してください。
環境部病虫グループ小塚雅弘
[島根県農業試験場だより第108号2005年3月]
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