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イネごま葉枯病のアシカキからの伝染

 

近年、水田畦畔や休耕田などの管理が不十分となり、ほふく性のイネ科多年生雑草の発生が増加しており、これら雑草からイネへ病気が伝染しているのではないかとの懸念が現地からありました。中でもアシカキは主に湿地や池、沼などで生育しますが、近年は畦畔や水田内での発生が増加し、このアシカキにはイネごま葉枯病と同一の病原菌(Bipolarisleersiae)による葉枯病が発生します(図1)。しかし、これまでにイネへの伝染についての報告はありません。そこでアシカキからイネへの伝染について検討しました。

葉枯病が激発しているアシカキが繁茂している畦畔の風下側で、イネ(コシヒカリ)のごま葉枯病の発生状況を調査しました。畦畔のアシカキに近いほどごま葉枯病の病斑数は多く、離れるほど急激に減少していました。
また、葉枯病の発生しているアシカキと無発生のアシカキをそれぞれ水田内に移植し、イネのごま葉枯病の発生推移を調査すると、葉枯病の発生しているアシカキを中心にごま葉枯病の発病株が増加しました。

以上からイネ科多年生雑草の一種であるアシカキに発生した葉枯病がイネごま葉枯病の伝染源となることが明らかになりました。従来、水田畦畔や休耕田などの水田周辺の雑草管理については、カメムシによる斑点米の発生を抑制する観点から指導されてきましたが、これに加えてごま葉枯病の伝染源の除去からも適切な管理が必要です。

環境部病虫科磯田淳

 [島根県農業試験場だより第105号2004年3月]


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