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高温ロゼットしにくいトルコギキョウの品種選定

 

トルコギキョウは、育苗期間が高温になると生育を停止する性質(ロゼット化)があります。そのため、生育期間中にロゼット化株(図1)の発生が多くなると収穫率が低下し、経営に大きな影響を及ぼします。特に5〜8月の高温時に育苗を行う秋出し栽培では、このロゼット化防止対策が必要です。当場では、これらの問題を解決するため、今まで「苗の低温処理技術」や「冷房育苗技術」を開発しました。しかし、近年、トルコギキョウの品種改良がすすみ、ロゼット化しにくい形質を持った品種も種苗会社等から発表されるようになりました。

市販の64品種について、播種から定植期までの期間、昼温35℃、夜温25℃の高温で育苗し、定植後のロゼット化株発生率を調査しました。その結果、全くロゼット化しない品種‘つくしの羽衣’他8品種、ロゼット化率が10%未満の品種として‘アリスパープル’他10品種を認めました。これらは育苗時が高温でもロゼット化しにくい品種ですが、寒冷紗等での遮光や通風を良くするなどして、できるだけ育苗期間中の温度を下げることが必要です。

現在、これらロゼット化しにくい品種を用いて、種子冷蔵や短日処理技術による低コスト栽培方法を検討しています。

園芸部野菜花き科金森健一

 [島根県農業試験場だより第102号2003年03月]


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