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気象災害対策(茶)

冬季気象災害対策

事前の対策
低温害防止対策

(1)開園にあたっては経済的栽培適地を選ぶことが最重要である。
(2)被害の予想されるような地域では、耐寒性品種を導入する。
(3)敷き草・敷きわらなどを株元に十分施し保温に努める。
(4)幹割れ型被害の発生しやすい地域では、最終施肥時期を早める。
(5)苗床・仮植床・定植当年の幼木園などでは、ビニールまたはポリフィルムと黒色寒冷紗によるトンネル式二重被覆の防寒効果は絶大である。ただし、この方法では経費面での難点もあるので、隔うねに設置して半分だけでも保護し、他のうねはトンネル被覆を防風垣と見立てて、防風効果を期待するなどといった工夫も可能である。

防風対策

(1)適地の選定が第一条件である。
(2)防風垣を作り寒風を遮る。
防風垣には通風率40〜60%の資材を用い、主風向にできるだけ直角にし、両面に袖垣を作るほうがよい。防風垣の効果範囲は、垣の高さの5〜6倍である。ただし、防風垣を設けることによって、越冬中の凍害や晩霜による被害が増大する場合もあるので、防風垣は特に風の強い時期・場所に限り、風の被害が低温の被害より卓越するとみなされる場合のみに実施するほうが安全と考えられる。なお、定植当年〜3年目の幼木園では、ソルゴーなどの間作を行い、簡易な防風垣とする場合もある。
(3)被覆をする場合、直掛けよりトンネル掛け、更に、棚掛けのほうが効果は高いが、雪の多い地域ではトンネル掛けや棚掛けでは雪の重みで施設が破損するおそれがあるので直掛けとする。被覆資材は、遮光率50〜60%の通気性の良いものを使用する。
(4)苗床や幼木園などではトンネル式二重被覆の防風効果は絶大である。

雪害防止対策

(1)適地の選定ということが最も大切である。
(2)樹高を低く仕立てる。
(3)寒冷紗などの被覆資材で直接被覆することによって、株割れ・枝折れ等の被害を軽減させる。
(4)苗床や幼木園などではトンネル式二重被覆が効果的であるが、この場合には強固な骨組みにする必要がある。

その他

(1)樹勢の低下を招かないように、適切な摘採・整枝・せん枝・施肥・防除等を励行する。
(2)予測のできなかった中晩秋の異常高温によって、秋整枝後に遅れ芽の伸長や再萌芽が起こったり、幼木園や春整枝園で秋芽の生育が遅くまで続くような場合には、越冬体制が不十分となり冬季気象災害を受けやすくなるので、万全の準備を行う。

事後対策

■株枯れの場合(樹体あるいは地上部の枯死)

幼木では樹体の枯死に至ることもあり得るので、このような場合、部分的な被害では補植を行い、全面的被害時には耐寒性のより一層強い品種への改植が必要となる。
成木園での地上部枯死はまれに見受けられる。部分的な被害では台切りを行ない、全面的被害では台切りの実施あるいは耐寒性品種への改植を行う。

■枝枯れの場合

被害部を確認し、その部分を除去する深さで3月上中旬頃にせん除する。中切り及び深刈り程度の処理となることが多い。

■先枯れの場合

枝の先端が枯死した場合には、健全部を確認後3月上中旬頃に被害部をせん除する。浅刈り程度の処理となることが多い。

■葉枯れ及び落葉の場合

葉枯れの場合には、摘採葉に被害葉が混入しないよう、3月上中旬頃に被害部を除く程度に浅く整枝する。
成木園で落葉した場合には、放任して着葉量を多くするように一・二番茶の摘採で調節する。落葉や葉枯れが著しい場合には、摘採を中止して樹勢の回復を図る。
初期仕立て段階の幼木園における被害では、樹勢のよいものは一番茶後にせん除を行い、樹勢の劣るものは一番茶前の3月頃にせん除する。


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
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