○作物名:ヤクヨウニンジン
○病害名:苗立枯症状、根腐病
○概要
苗立枯は、苗床でー度発生すると周囲へのまん延がくい止めにくく、育苗する上で最も恐れられている症状である。また、根腐病は、わが国のヤクヨウニンジン栽培地で広く発生しており、連作障害の原因として極めて重要な病害である。
○病徴と診断
苗立枯症状
幼苗の地際の部分が暗緑色に変色し、柔らかくなって細くくびれ、その部分から折れたように垂れ下がる。発症した苗はしばらくの間緑色を保っているが、葉先を持って引っ張ると地際から簡単に抜けてくる。
根腐病
根および土壌中の茎が侵される。根では、はじめ表面に褐色の斑点が現れ、少しづつ拡大するとともに中心部がへこんだ暗褐色の病斑となる。発病が激しい場合には不規則な大形病斑となって、根の全体が腐敗することもある。ただし、腐敗臭はほとんどない。根頭が侵された場合は翌年発芽しないか、発芽しても間もなく枯死することが多い。
○発生生態
苗立枯症状
土壌が多湿で地温がやや低めのとき、また、苗が軟弱なときに多発しやすい。
根腐病
病原菌は、厚膜胞子の形で土壌中で長期間にわたって生存し、条件がよくなると発芽して、根の表面から侵入して発病させる。冬期間以外は、いつでも発病する。病斑の拡大は比較的緩やかであるが、年とともに腐敗が進み被害が大きくなる。この際、細菌が同時に感染した場合には、腐敗がきわめて激しくなる。
○防除法
1.連作を避ける。
2.床土が過湿にならないように排水に気をつける。
3.播種または植え付け前に土壌消毒を行う。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
○外部リンク日本植物病名データベース
お問い合わせ先
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