○作物名:ヤクヨウニンジン
○病害名:灰色かび病、うどんこ病
○概要
灰色かび病は、本県八束町では斑点病とならんでよく見かける病害である。茎葉の被害は比較的軽いが、発芽して間もない頃に茎の地際部が侵されると、大きな損害を被ることがある。また、うどんこ病は、本県八束町では発生が比較的少ない病害であるが、年によっては地域的にかなりの多発生を見ることもある。
○病徴と診断
灰色かび病
主として茎に発生するが、花梗や葉にも発生する。茎では、はじめ地際の付近に淡褐色の小さな病斑ができ、拡大するとともに褐色でややへこんだ細長い病斑となる。まもなく、その部分から上は萎れて枯死する。雨などの後に、病斑上に灰色のかびを多量につくり、ときには褐色の菌核が見られることもある。葉では先端や葉縁の傷口などから発病し、淡褐色で不正形の大きな病斑をつくる。病斑上には、茎と同様に灰色のかびを多量につくる。
うどんこ病
葉、茎、種実などに発生する。いずれの部位が発病した場合でも、病斑の表面に白い粉状のかびがー面に生えるのが特徴である。
○発生生態
灰色かび病
本病菌は、4月下旬頃から、発芽まもない柔らかい茎の地際部などを発病させる。また、葉での発病は6〜7月の梅雨期間が最も激しい。斑点病同様、栽培年数が古くなるほど発生が多くなる。春先の天候が不順で降雨が多く、床面の土壌が過湿になりやすいような年に多発する傾向がみられる。
うどんこ病
一般に、6月上〜中旬頃から発生がみられる。発生の詳しい条件は明らかでないが、林や屋敷の陰になるような風通しが悪い畑で発生が多いようである。
○防除法
灰色かび病
1.斑点病と同様、被害をうけた茎葉を早期に取り去る。また、秋李の茎葉の刈り収りを励行する。
2.薬剤を発芽期(4月下旬)と展葉期(5月上旬)の2回散布する。
うどんこ病
1.日当たり、風通しが良くなるように畑の状態を改善する。
2.本病が発生しはじめる頃から薬剤散布を行う。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
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