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○作物名:ヤクヨウニンジン

○病害名:斑点病



斑点病○概要
現在、わが国でヤクヨウニンジンの栽培が行われているのは、島根、長野、福島の3県であるが、本病はこれらの県に共通して発生が多く、被害が激しいことから最も恐れられている病害である。また、韓国、ロシアなど諸外国のヤクヨウニンジン栽培地でも本病が多発し、その対策には苦慮しているようである。

○病徴と診断
主として葉や茎に発生するが、果梗、果実および根が侵されることもある。葉では、はじめその表面に円形または不正形のぼんやりした斑点が現れ、これは拡大するとともに内部が淡褐色、周辺が褐色となり、乾燥すればきわめて薄くなって破れやすくなる。また、発病した葉は全体に黄色くなって、早期に落葉する。
一方、茎では、はじめ地際部などに褐色の斑点ができ、これは拡大するとともに上下に伸び、ややへこんだたて長の大きな病斑となる。のちには、その病斑上にすす色でビロード状の胞子を多数つくる。果梗や種実が侵されるとミイラ状に枯れあがって、種がとれないようになる。また、茎が早い時期に発病すると病変が根まで移り、根の頭部から褐色に腐敗することもある。

○発生生態
本病菌は、主として胞子の形で枯死した茎葉上で年を越すが、飛び散った胞子が日覆小屋の屋根わらなどに付着して年を越すこともある。また、菌糸の形で根の頭部に潜んで冬を越し、翌年、芽を出したばかりの茎などを発病させる場合もある。本病の発病は、早い年では5月上旬頃から認められる。
本病菌は、やや高温(最適25℃)で空気中の湿度が高いときなどに病斑の上に大量の胞子をつくり、風や雨のしぶきなどとともに飛び散って盛んに伝染する。したがって、雨が多い梅雨期の発病が最も激しい。本病の発病は、日覆屋根の開放した側、とくに最前列で著しく多く、雨のかかりにくい奥側の列では比較的少ない。また、4年生以上になると目立つようになり、収穫年にあたる6年生では極めて多くなる。

○防除法
1.発病茎葉は見つけしだい取り除く。また、秋季落葉後、茎のもとから刈り取って焼き捨てる。
2.主に、発芽後から梅雨明けまでを重点的にねらって、薬剤を散布して防除する。

 

資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑

 

外部リン日本植物病名データベース

チョウセンニンジン斑点病(外部サイト)


 


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