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○作物名:ワサビ

○虫害名:ワサビクダアザミウマ

 


成虫と被害の写真○概要
昭和42年に島根県美濃郡美都町ではじめて発見され、その後県西部を中心に分布拡大し、隣接の山口県や広島県の市町村でも発生が確認されている。58年に新種として記載された。本種は世界でも本県周辺のみに発生するアザミウマである。

○被害と診断
葉にはじめ小黒褐色斑が現われ、その周辺に暗褐色のリングができる。やがてリング内の中心部が陥没し、直径2〜3mm程度の円形〜楕円形の黒色斑となる。この黒斑は最後には互いに一緒になって、不正形斑〜大型斑となる。このような被害痕が葉身の基部の葉脈間あるいは葉脈沿いに多く見られるのは、成虫、幼虫が集って加害するためである。加害が激しい場合には葉身が萎縮して奇形となったり、葉身が葉柄から離れ落ちるなどの被害となる。葉柄では葉身とほぼ同じであるが、やや黒斑が大きいため、互いに一緒になって、全面が黒くなり、点々と縦割れができる。根茎では、はじめ0.1mm〜0.2mmの淡褐色小点が現れ、やがて陥没して暗褐色〜黒褐色斑となる。その後これらは互いに一緒になって大きな黒斑となり最後には根茎全体に広がる。
黒色のアザミウマで体長約3mm、腹部先端は筒状になっている。幼虫、蛹は黄橙色で幼虫は2齢、蛹は3齢まであり、蛹は幼虫と同じ色、形をしているが、羽の基があるのと口がなく摂食しない点で幼虫と異なる。卵は長さ0.5mm程度、茶色で俵状をしている。

○発生生態
年3回発生する。幼虫、蛹、成虫態で地下部で越冬する。3月下旬頃までにはすべて成虫となる。4月中旬〜下旬になると成虫は地下部から地上部へと移動し、1卵ずつ産卵し始める。幼虫は5月下旬〜6月中旬と7月下旬〜8月下旬に、成虫は6月下旬〜7月下旬と9月下旬以降に見られ、7月以降は地上部より地下部に生息することが多くなる。
28℃以上の高温では卵はふ化しない。

 

 

 

 


 

 

 


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