○作物名:ワサビ
○病害名:萎縮病
○概要
本病は全国のワサビ産地で比較的新しく問題となった病害である。被害の進みが慢性的で急激でないが、栄養繁殖による栽培を繰り返しているうちに退化減少を引き起こす。島根県における発生実態はこれまでほとんどわかっていなかったが、ごく最近の調査によると、県下のワサビ圃場にはごく普通に発生しており、かなりの被害を及ぼしていることが明らかになっている。
○病徴と診断
株全体に発生する。葉の表面に凹凸をつくり、しわがよったようになるもの、葉が肥厚し、脈間が短縮して葉脈が透き通った病徴が見られるものなどがあり、いずれも株全体が萎縮する。また、葉にモザイクとともにえそ斑点を示すものもある。しかし、症状が現れるのは穏やかであり、栄養繁殖を繰り返しているうちに症状が強まり、比較的はっきりとしてくる。なお、本病はワサビの致命的障害である退化減少の原因になるといわれている。
○発生生態
本病の病原は、キュウリモザイクウィルス(CMV)、タバコモザイクウィルス(TMV)、カブモザイクウィルス(TuMV)の3種類のウィルスが確認されている。そのうち本県ではTuMVが多く、それとTMVが複合感染している場合が多い。症状と病原ウィルスとの関係は明らかではないが、TuMV、TMVが複合感染した場合、えそ症状が激しいようである。3種類のウィルスとも母茎からの伝染、つまり親株から株分け苗に伝染する。これらはいずれも汁液伝染、とりわけTMVは接触伝染する。また、TMV、TuMVはともにアブラムシによって伝搬される。なお、3種類のウィルスはいずれも種子伝染は行わない。
○外部リンク日本植物病名データベース
モザイク症状
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