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○作物名:ワサビ

○病害名:軟腐病


軟腐病○概要
本病は全国のワサビ産地に発生しており、しばしば致命的な被害を及ぼし、最も恐れられている病害である。島根県でもかって全国に名声を博していた三瓶ワサビが、大正10年ころ本病に侵され始めてから数年またずして荒廃してしまった苦い経験がある。最近でも本病は県下各地のワサビ圃場で発生しており、環境が悪化した場合には、爆発的に発生する危険性をはらんでおり、その動向が注目されている。なお、本病に比較的強い島根3号は本県で育成され、本県はもとより全国のワサビ圃場で広く栽培されている。

○病徴と診断
主として根茎に発生する。根茎でははじめ暗色、水浸状の病斑ができ、急速に広がって、灰白色〜淡灰褐色となり、軟化腐敗する。根茎内部の組織が崩壊するにともなって、葉は下葉から黄変して生気を失い、ついに枯死する。また、葉柄に付け根が侵されると、葉柄は暗緑色に変色して軟化し、一部または全部が離れ、根茎の随部は軟腐してへこみ、「頭無し」の状態になる。根茎が侵されると、軟化腐敗して悪臭を放ち、間もなく罹病部がなくってしまうのが特徴である。

○発生生態
病原細菌は病株や土壌中で越冬する。水ワサビでは土壌中の被害組織のなかの細菌が根茎、根に達して土壌伝染したり、水の中に細菌が流れ出て根茎、根に達し、いわゆる水媒伝染する。この場合、ヨコエビ、カワゲラなどの水生動物食害痕からの侵入が多い。畑ワサビでは土壌中の被害組織より根茎、根に土壌伝染を行う。また、水ワサビ、畑ワサビいずれとも株分け苗を通じて親株からの苗伝染も多い。
水温が上昇するにしたがって発病が増加し、18〜19℃以上になると激発する。気温も高温ほど発病しやすく、高温期に日射量が多くなると発病を助長する。養水に濁りが多かったり、夏期、水温の高いときに泥土が溜まると発病が多くなる

 

 

外部リン日本植物病名データベース

ワサビ軟腐病(外部サイト)

 

 

 

 

 

軟腐病

軟腐症状(ジャガイモの切片に接種)

 

 

 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
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