○作物名:ワサビ
○病害名:白さび病、べと病
○概要
両病害とも、ワサビの栽培地ではきわめてよく見かける病害である。これらは、墨入病や軟腐病のように直接根茎を侵すことはないが、ワサビの苗床でべと病が激しく発病すると、壊滅的な被害をうけることがある。また、白さび病は、葉ワサビ生産を行う上で問題となるほか、花茎に多発すると種が取れなくなるため、採種圃ではとくに恐れられている病害である。
○病徴と診断
白さび病
主に葉に発生するが、花軸、花梗、さやにもよく発生する。葉の裏側や花軸などに乳白色のややふくらんだ斑点(胞子層)を多数つくるのが特徴で、これらは古くなると破れて、白い粉(胞子)が飛び散る。
べと病
主に葉に発生する。はじめ葉の裏側に緑褐色で形が一定しない小斑をつくり、しだいに拡大して暗褐色をした多角形の病斑となる。葉の裏側に灰白色のかびをつくるが、病斑が古くなるとかびは消えて黒褐色となり、その部分が極めて破れやすくなる。
白さび病の病斑の周囲にはべと病を併発することが多い。また、花軸や花梗にこれらの病害が発生すると、その部分が著しく肥大して奇形となりやすい。
○発生生態
白さび病
病原菌はワサビの葉の病斑上や、外観的に健全な部分に目に見えない形で潜んで冬を越す。春になってそれらの上に新たな胞子をつくり、風などで飛び散って近くのワサビに次々と伝染する。若い葉ほど発病しやすいため、露地栽培ではワサビの生育が最もおう盛な5〜6月および9〜10月に発生が多い。
べと病
病斑上につくられた病原菌の胞子が風などによってワサビの葉などに運ばれ、まん延する。本病も春と秋、2回発生する。実生育苗で春まきした場合、激しい被害をうけることがある。
両病害とも葉ワサビ栽培のビニールハウス内で発生すると被害が大きくなりやすい。ハウス内での発生は3〜4月頃がピークである。
○外部リンク日本植物病名データベース
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