○作物名:ウメ
○病害名:黒星病、灰色かび病
○概要
古くからよく知られた病害で、果実に発生すると外観を損ない商品価値がなくなるため、ウメの重要病害となっている。本県でも産地や家庭果樹で普通に発生し、とくに、放任しておくと被害のない果実は一つもなくなるほど多発する。
○病徴と診断
本病は主に果実、枝に発生し、まれに葉にも発生することがある。果実では、はじめ暗緑色の小円形病斑で、のち果実の肥大にともなって2〜3mmとなり、明瞭な黒色病斑となる。ときに多発生して小黒点病斑が多数集合して大型病斑となり、果実表面に亀裂が入ることがある。枝では新梢に発生し、円形または不正円形ではじめ黄緑色でのちに黄褐色に変わる。その後病斑の色は変化し、秋から冬になると灰褐〜灰色、春先には銀灰色となるので診断のポイントになる。
○発生生態
本病菌は菌糸の形で枝の病斑中で越冬する。春先から病斑の表面に胞子をつくり、雨水によって幼果に伝染する。主要感染期は4〜5月で適温期で30日前後、低温期で30〜40日の潜伏期間を経た5月上旬〜6月に発病する。このように潜伏期間が比較的長いことから、果実上につくられた胞子が他の健全な果実へ二次伝染して発病することはなく、果実への伝染は、主に枝病斑上につくられた胞子によると考えられている。実際、老木など枝病斑の多い樹の果実は多発しやすい。一方、新梢への伝染は果実上につくられた胞子によるものと考えられている。
春先から気温が高く雨の多い年は多発し、発生時期も早まる。通風不良、過密による日照不足、排水不良などで園内の湿度が高いと発生しやすく、水田転換園では多発する傾向にある。
○その他
これら病害以外で、本県で確認された病害に灰色かび病がある。
○外部リンク日本植物病名データベース
果実における灰色かび病の症状
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