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○作物名:ブドウ,カキ,カンキツ,チャ

○虫害名:チャノキイロアザミウマ

 


チャノキイロアザミウマの被害写真○概要
最近,全国的に本種が各種果樹類に発生し,その対策に苦慮している。本種は非常に小さい害虫のため,被害が見られるようになってはじめてその発生に気付き,防除が手遅れになることが多い。被害はブドウのほかカキ,カンキツ,チャなどで多く発生する。

○被害と診断
成虫・幼虫がブドウの新梢,葉,穂軸,果粒などを加害する。本種が加害すると,新梢でははじめ表皮が褐色ないし黒色になり,のちにコルク化する。多発した場合は,節間が短くなり,枝の伸長が止まる。葉では葉脈沿いの部分が初め油浸状に光って見えるが,しばらくすると黒褐色になる。また,葉脈が加害されると葉は十分に開かず,裏側へ湾曲する。穂軸では新梢の被害と同じ経過をたどり,脱粒の原因となる。果粒は落花後から着色期まで加害され,はじめ果皮は黄褐色であるが,しだいにコルク化する。落花後早い時期に加害された果粒はコルク化し,肥大しない。春季枝が伸び始める頃から新梢,葉,花穂,果房を軽く手でたたき,黒あるいは緑色の板の上に黄色の本種を落とし,発生の有無を確認する。
チャの新芽,新葉が加害されると,生育は著しく遅れ,ひどい場合には枯死する。
成虫は体長0.8〜0.9mmで,黄〜淡褐色,翅が重なっているので,腹部に黒い筋があるように見える。幼虫は0.5mm前後で,黄〜淡黄色,蛹は幼虫よりやや大きく0.6〜0.8mm,淡黄色である。

○発生生態
年間10回前後の発生で,卵以外の各発育態で越冬するが,島根県では成虫の越冬が主体である。5月から10月までブドウ園で発生が見られるが,7月〜9月に多い。したがって,収穫の早いデラウェアより収穫が遅い巨峰などで被害が多い。ハウス内で越冬すると,早くから寄生がみられ,花穂が曲がるなどの被害が発生する。また,チャでは一番茶より二〜三番茶で発生が多い。
卵,幼虫,蛹の発育期間は短く,1世代に要する日数は春秋期が約25日,夏期が約15日である。また,ハウス内は高温になるため,発育期間がさらに短くなり,露地での発生回数より1〜2回多くなる。

 

 

 

 


 

 

 


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