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○作物名:チャ

○病害名:チャノホソガ(サンカクハマキ)



チャノホソガによる茶の被害と幼虫、成虫写真○概要
幼虫がチャの葉を三角形に巻き、加害する習性があるため、チャノサンカクハマキと呼ばれている。また、被害葉が多量に混入したお茶は赤くなり、とても飲むことはできない。チャ害虫の中で本種ほどお茶の品質を低下させる害虫はない。

○被害と診断
若齢・中齢幼虫が葉身部の表皮下を食害しながらその中に糞を詰める。食害された葉は周縁部が少し裏側に折れ曲がる。葉縁で十分発育した幼虫は他の若葉に移り、葉を三角形に巻いてそのなかを食害する。この三角形の被害巻葉のなかには幼虫が排出した糞が詰まっている。本種の被害は生葉の減収量よりも被害巻葉が混入した生葉で製茶したお茶の浸出液が赤くなることによる品質低下である。お茶の品質低下の原因は被害巻葉内の虫糞が製茶されることによるものである。本種の被害巻葉によるお茶の品質低下は手摘みをした場合より機械摘みをした場合が著しい。
成虫は体長約4mm、翅の長さ5〜6mmで、体色は光沢のある褐色、翅も同様に褐色であるが、中央に三角形の黄金色の大紋がある。
幼虫はふ化当時体長約0.5mm、白色である。体は偏平で、前方に口器が突出し、脚はないが、4齢になると胸部、腹部に脚ができる。

○発生生態
年5〜7回発生し、蛹で越冬する。島根県での発生回数は5回のようである。成虫の発生時期は第1回が4月中旬〜下旬、その後6月上旬〜中旬、7月上旬〜下旬、8月上旬〜下旬、9月中旬〜10月中旬である。成虫は上から1〜4番目の葉裏に1〜5個の卵を産み付ける。卵は3〜7日でふ化し、幼虫が発生する。幼虫は葉の表皮下にいる期間7〜10日、三角巻葉にいる期間5〜10日の後蛹化する。蛹期間は10〜16日である。本種は若い葉を加害するので、摘採によって幼虫が除去されるため、秋期の発生は少ない。しかし、更新園、幼木園および三番茶を摘採しない園などでは秋期に多発生する。

 チャのほかにツバキ、サザンカ、サカキなどツバキ科の植物を加害する。

○防除法
1.摘採間近になって三角巻葉が見られ始めたら、糞が茶のなかに混入しないようできるだけ早く摘採する。
2.薬剤による防除は茶芽の摘採後から開葉期にかけて薬剤を散布する。薬剤散布に当っては薬剤の残留、残臭に十分気を配る必要がある。

資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑



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