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○作物名:チャ

○病害名:ハマキムシ類

 


チャノコカクモンハマキの被害、幼虫、成虫とチャハマキ成虫写真○概要
チャの葉を加害するハマキムシ類はチャノコカクモンハマキとチャハマキである。この2種はチャ以外にナシ、ブドウ、カキの葉や果実など300種類以上の植物を加害する雑食性の害虫である。

○被害と診断
チャノコカクモンハマキ、チャハマキともに幼虫が糸を吐いてチャの葉をつづり合わせて、そのなかで食害する。多発した場合、チャの葉が数枚つづられ、枯死し茶園全体が茶褐色になる。チャノコカクモンハマキは古葉より新葉や芽を好むため、生薬の収穫量が少なくなる。しかし、摘採後新葉のないときは古葉も食害する。被害新葉を製茶した場合は水色は濁り、異臭、苦味が生じる。これに反し、チャハマキは成葉および古葉を好んで食害するため、新葉を摘採したのち初めて本種の被害に気付く場合が多い。本種の加害によって新梢、新葉の生育が遅れ、茶期の収量に悪影響を与える。
チャノコカクモンハマキの成虫は体長6mm、体色淡褐色で、釣鐘形をしている。前翅に3本の暗褐色の帯があり、雄では明瞭であるが雌ではやや不明瞭である。幼虫は黄緑色〜鮮緑色で、老熟すると約20mmになる。蛹は黄褐色で約8mmである。チャハマキの成虫は体長約10mm、翅の長さ10〜15mmである。雄は前翅の基部に半月形のでっぱり(前緑褶)があり、前緑の中央に黒褐色の大紋がある。幼虫は25mmに達し、淡晴緑色または暗緑色である。蛹は体長10〜13mm、褐色である。

○発生生態
チャノコカクモンハマキは年4回の発生で、幼虫で越冬する。第1回目の成虫は4月下旬〜5月中旬に発生する。第2回目以降の成虫は6月中句〜7月中旬、8月上旬〜9月上旬、9月中旬〜10月に発生する。成虫は羽化翌日から産卵し、5〜10日後には幼虫が発生する。幼虫は4〜5回脱皮を行ない、約20日の幼虫期間ののち蛹化する。
チャハマキは年4回の発生で中齢幼虫で越冬する。翌年の蛹化時期は前種よりやや遅いため、その後の成虫の発生もやや遅れる。これは本種の幼虫期間が前種のそれより約10日ほど長いためである。

○防除法
1.交尾を阻害する効果のある(1)ハマキコンを10a当り200〜400本枝に掛けておくと幼虫による被害の発生を長期間抑制できる。
2.薬剤による防除は一〜三番茶摘採後に下記の薬剤を1〜2回散布する。


資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑

 


 


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