○作物名:チャ
○病害名:網もち病、もち病
○概要
両病害とも葉に特徴的な症状のあるチャの代表的な病害で、わが国のチャ園では局地的に見られる。網もち病は葉の裏側に白い網目状の病斑をつくり、もち病は葉の裏側に向かってまるくふくれあがってもちのようになる。
○病徴と診断
網もち病
葉に発生する。最初、葉の裏側に淡緑色、円形の小病斑ができ、病斑の直径がlmm程度になると淡緑色の線を四方にのばし網目状となる。やがて、病原菌(子実層)が表皮をやぶって露出し、白色のきれいな網目状病斑となる。病斑は古くなると暗褐色になって落葉しやすくなる。また、本病ではしばしぱ病葉の付け根付近から細い枝へ枯れ込みがはいる。
もち病
葉、葉柄、まれに若い茎に発生する。葉では、はじめあめ色の小さな斑点ができ、しだいに拡大し2〜5mmくらいになると葉の裏側に向かってふくれあがる。そして、その上に白色の子実層が形成される。ー枚の葉に数十個もできると、互いにくっつき合って葉全体をおおうようになる。古くなると隆起したところがつぶれ、平らな黒褐色の病斑になる。若い茎では、病斑部がわずかに肥大し、その表面に白色のもち状の子実層ができる。
○発生生態
網もち病
病原菌は、樹上に残った病斑のなかで菌糸の形で越冬する。4月ごろになると古い病斑の周囲にあらたに病斑が拡大し、その上に胞子をつくり、新しい葉に感染を起こす。新しくできた病斑上の胞子は、風雨とともに飛散し伝染する。侵入は開葉まもない軟弱な新芽に限って行われ、侵入後20日ぐらいの潜伏期間を経たのち、淡緑色円形の小病斑ができる。しかし、白色の網目の病斑ができるまでには2か月以上もかかる。9、10月ごろ最も多く発生する。
もち病
病原菌は、翌年展開する幼芽に潜伏して越冬する。翌春、その部分に胞子ができ、軟弱な新芽に侵入し、7日程度の潜伏期間ののち発病するようである。5〜7月と9〜10月の2回発生する。平均気温が15〜22℃で高湿度が続くと発生しやすい。また、山間地や日当りの悪いところに発生しやすい。
○防除法
1.茶園の風通し、日当りをよくする。
2.二番茶開葉期(6月上〜中旬)、秋芽開葉期(8月下句〜9月中句)に各1〜2回薬剤を予防的に散布する。
○外部リンク日本植物病名データベース
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
お問い合わせ先
農業技術センター
島根県農業技術センター 〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380 nougi@pref.shimane.lg.jp <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方> 迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。 以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。 @pref.shimane.lg.jp