○作物名:チャ
○病害名:炭疽病、白星病、赤焼病
○概要
両病害とも若い葉にのみ発病し、わが図のチャ園でごく普通にみられる。そのうち、炭疽病は、秋に多発すると翌春、一番茶が減収するチャの重要病害である。
○病徴と診断
炭疽病
葉に発生する。はじめ、病原菌の侵入場所付近の葉脈が茶褐色になる。葉脈の褐変は、病葉を太陽にすかして見るとわかりやすい。病斑がさらに拡大すると暗褐色、不正形となって周囲がはっきりし、落葉しやすくなる。樹上に残った病葉は古くなると灰褐色になり、病斑上に黒色の小粒点(分生胞子層)ができる。
白星病
葉と枝に直径1〜2mmの小型の褐色病斑をつくるのが特徴である。葉では、はじめ赤褐色あるいは茶褐色の斑点ができ、やがて中央が灰白色になる。ときには、1枚の葉に100個以上もの病斑ができ、互いにくっつき合って、大型不正形の病斑となることもある。
○発生生態
炭疽病
病原菌は樹上に残った病葉中で菌糸の形で越冬する。翌春、病斑上にできた胞子は開葉まもない軟弱な新芽に達して侵入し、15〜20日ぐらいの潜伏期間を経たのち発病する。新たにできた病斑上には胞子がつくられ、これが雨滴とともに飛散し伝染する。6〜7月の梅雨期、9〜10月の秋雨期に雨がつづくと発生が多い。
白星病
病原菌は葉、枝の病斑部で菌糸の形で越冬する。翌春病斑の上につくられた胞子は、展開直後の第一葉に限って侵入し、3〜5日程度の潜伏期間ののち発病する。新たにできた病斑上には、胞子がつくられ、これが風雨によって飛散し、次から次へとニ次伝染する。
○防除法
炭疽病
1.窒素質肥料の偏用を避ける。
2.病原菌は開葉してまもない柔らかな新葉にしか侵入できないので、二番茶芽開葉期(6月上旬〜中旬)、三番茶芽開葉期(7月中旬〜下旬)、秋芽開葉期(8月下旬〜9月中旬)に薬剤を各1〜2回予防的に散布する。
白星病
1.台刈りまたは、中刈りを行って樹勢の回復を図る。甚だしい老朽茶園は改植する。
2.肥料を十分に施し、過度の摘採を避ける。
3.一番茶芽開葉期(4月下旬〜5月上旬)、二番茶芽開葉期(6月上旬〜中旬)に薬剤を各1〜2回散布する。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
○その他
このほか、チャの主な病害として赤焼病がある。本病は細菌によって起こる病気で1987年平田市、1993年、松江市で発生し問題となった。葉、枝に発生する。雨が降ると病斑部から本菌が水滴中に流れだし、飛散し伝播する。おもに傷口から感染する。発病は早春(3月から4月)と晩秋に多く、低温性病害である。
○外部リンク日本植物病名データベース
赤焼病(発生状況)
赤焼病(葉の病徴)
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