○作物名:トルコギキョウ
○病害虫名:キキョウトリバ
○概要
平成23年8月に県東部のハウス栽培のトルコギキョウ圃場において、花蕾に穴をあける害虫が発生しているとの報告を受けた。現地調査した結果、チョウ目と思われる幼虫による花蕾の加害を認め、幼虫と蛹を採集し、室内で羽化させたところ、トリバの仲間と思われた。標本の同定を豊田市矢作川研究所の間野隆裕氏に依頼した結果、キキョウトリバと判明した。
本虫はリンドウ科の植物を加害する。日本では1975年に福岡県のトルコギキョウで採集されて以来、公式な採集記録はなかったが、平成24年に山口県、岡山県でも確認された。
発生面積は4a、被害株率は15%、被害花蕾率は2%であった。
○形態及び生態
成虫は開張16〜23mm、幼虫の体長は10〜11mm、蛹の体長は9〜11mm、卵は長さは0.4mm・幅0.25mmである。
詳しい生活史は明らかではない。採集時の観察によると、卵は花蕾上に1卵ずつ産みつけられ、幼虫は花蕾に穿孔し、茎や葉上で蛹化する。
○被害の特徴
花蕾に穴をあけて侵入し中を食害する。被害を受けた花蕾は商品価値がなくなる。
○寄主植物
本種の寄生植物はリンドウ科の植物である。
○防除対策
1)ハウスの場合開口部に寒冷紗を張り、成虫の侵入を防ぐ。
2)本種に対する登録農薬はない(平成24年6月現在)。
図1キキョウトリバ成虫(間野隆裕氏撮影)
図2キキョウトリバ幼虫
図3キキョウトリバ(幼虫)による被害
お問い合わせ先
農業技術センター
島根県農業技術センター 〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380 nougi@pref.shimane.lg.jp <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方> 迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。 以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。 @pref.shimane.lg.jp