○作物名:トマト、キュウリ、メロン
○虫害名:オンジツコナジラミ
○概要
この害虫は海外から来たもので、昭和49年に広島県と福島県で初めて発見された。その後、鉢植えの観葉植物に寄生するなどして分布が拡大し、現在全国に発生が見られる。島根県では昭和50年4月に玉湯町で確認された。施設野菜、花き類では重要害虫である。
○被害と診断
幼虫が植物の汁液を吸って加害する。しかし、排泄物にすす病菌が寄生し、植物体が黒く汚染されることによる果実の商品価値の低下や葉の傷みが早まる被害の方がむしろ大きい。
トマトの他にナス、キュウリ、メロン、インゲンなどの野菜やゼラニウム、ポインセチアなどの花き、オオアレチノギク、ヒメジョンなどの雑草にもよく寄生する。
成虫は体長約1.2mmの小さな昆虫で、体は淡黄色であるが羽が白色の粉で覆われているため全体が白色に見える。成虫は葉裏に群がり、植物体を揺らすと飛び立つので容易に発生がわかる。卵は0.7mm程度で、葉裏に産卵される。ふ化幼虫は歩き回って、自分の好む場所に落ち着き、汁を吸い始めると脚がなくなる。その後は同一場所に定着したまま大きくなる。大きくなると1mm程度になり、偏平な楕円形である。蛹は淡黄色から淡緑白色で、形は幼虫に似ているが、やや厚みがあり、体の周囲に白色ひも状突起物がある。
○発生生態
冬期露地では低温のため発育を停止し、オオアレチノギクなどの雑草で越冬する。越冬後は、4月頃から盛んに羽化し、産卵を開始する。その後、発生は6月下旬まで多くなるが、梅雨期の降雨と夏期の高温のため、一時的に抑制される。
露地での発生回数は年6回程度であるが施設内では10回以上可能であり、常に各発育態が見られる。雌成虫の寿命は30〜40日で、100〜200個産卵する。20〜25℃の好適条件下では卵期間が6〜8日、幼虫期間は8〜9日、蛹期間が約6日、成虫になってから産卵するまでが1〜2日である。
○防除法
1.施設栽培では苗などによる持ち込みを防ぐ。生育中は施設の入口や換気口付近の株に野外からの成虫の飛び込みが多くなるので、発生には注意する。
2.施設栽培では黄色粘着テ−プを発生初期から吊して誘殺すると発生密度を抑制できる。
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