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○作物名:トマト、インゲン、ピーマン

○虫害名:ヒラズハナアザミウマ


ヒラズハナアザミウマ○概要
果菜類や花き類の花にもっとも普通に寄生するアザミウマである。トマトの果実の白ぶくれ症はこのアザミウマの産卵によってできることが島根県で解明された。

○被害と診断
白ぶくれ症はヒラズハナアザミウマが花のなかの子房の組織内に産卵することにより発生する。産卵された子房は幼虫のふ化直前から産卵部周辺が白斑状になり、落花後間もない幼果ですでに初期症状がみられる。果実の肥大とともに産卵部を中心に地ぶくれ状に盛り上がり、そのほぼ中心部にえくぼ状の陥没ができる。この陥没は産卵痕であり、被害の著しい果実ではいくつもの白ぶくれが重なり、数個の陥没がみられる。完熟した果実では赤味を帯びるため、白ぶくれの症状はさほど目立たなくなるが、被害の著しい果実では着色不良になり、商品価値が下がる。白ぶくれ症状は5月下旬頃から見られ、6〜7月にもっとも多くなる。その後、一時減少するが、9月には再び多くなる。発生は雨よけ栽培や露地栽培で多く、しかも畑の周辺にクローバなどの開花中の植物があると多くなる。
また、エンドウ、インゲン、ピーマンなどでも同様の被害が現れ、品質が低下する。
雌成虫は暗褐色で、体長は1.2mm〜1.8mmである。雄成虫は黄色で約1.2mmである。幼虫と蛹は紡錘型で黄色である。寄生部位は主に花の中であるが、高密度になると、葉やがくなどにも寄生する。

○発生生態
イチゴ、ピーマン、ナス、エンドウ、インゲンなどの果菜類のほか、レンゲやクローバ、オオマツヨイグサなど多くの植物の花に集まる。
4月から11月まで各種の花に寄生する。とくに6月上旬から7月上旬に発生がもっとも多くなる。成虫が落葉下などで越冬する。
発育は早く、25℃では卵期間が3日、幼虫期間が4日、蛹期間が4日である。成虫は羽化後1日ほどで産卵し始める。雌幼虫は30日間以上生存し、毎日10個以上産卵し、総産卵数は平均で約500個に達する。島根県では年に10〜12回発生する。

 


 


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