○作物名:トマト
○病害虫名:すすかび病
○概要
平成18年9月、奥出雲町、吉賀町の施設栽培の葉かび病抵抗性品種トマト、ミニトマトにおいて、葉に葉かび病に非常に似ている症状が認められた(図1、2)。そこで、調査した結果、Pseudocercosporafuligena(Roldan)Deightonによるトマトすすかび病と同定された。その後、県内の施設栽培トマト、ミニトマトを調査した結果、松江市、出雲市、雲南市、益田市、飯南町、美郷町及び邑南町でも確認され、県内の広範囲で発生していることがわかった。本病は、宮崎県、徳島県、京都府、岐阜県、愛知県、茨城県、千葉県及び鳥取県で発生が確認されている。
○病徴と診断
葉が侵される。初め葉の裏側に不明瞭な淡黄緑色の病斑が現れ、やがて灰褐色粉状のかびを生ずる。病斑はしだいに拡大して、病勢の進展と共に、円形あるいは葉脈に囲まれた不整形病斑となり、灰褐色から黒褐色に変わる。葉の表面には、裏面よりやや遅れて、不明瞭な淡黄褐色の病斑を生ずるが、裏面に比べて少ない。
葉かび病に酷似しており、肉眼での判別は困難であるが、分生子を顕微鏡下で観察すれば、細長い形状から葉かび病とは容易に判別できる(図3、4)。
○発生生態
被害植物の残渣で越年し、翌年の伝染源となる。多湿条件で発病しやすく密植、過繁茂、換気不十分の施設栽培で発病しやすい。
○防除対策
1)多湿条件で発病しやすいため、密植、過繁茂を避け、施設内の換気を行う。
2)発病葉、被害残渣は施設外に持ち出し、土中深く埋めるなど適切に処分する。
○外部リンク日本植物病名データベース
図1トマト葉かび病(左)とすすかび病(右):葉表
図2トマト葉かび病菌(分生子)
図3トマトすすかび病菌(分生子)
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