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○作物名:トマト

○病害虫名:トマト黄化萎縮病

 ○病原名:TbLCV(Tobaccoleafcurlvirus)

 

○概要

 平成17年7月下旬、益田市の施設栽培トマト(品種:ハウス桃太郎)において、生長点付近の葉が黄化し、萎縮する株が認められた。独立行政法人九州沖縄農業研究センターに診断を依頼した結果、トマト黄化萎縮病(病原:TbLCV)であることが判明した。本病原ウイルスの発生は、1976年に奈良県、大阪府、和歌山県で国内最初に確認されている。

 

トマト黄化萎縮病発生状況

○発生生態

1)病徴

 初め頂葉が黄化・葉巻する。その後、葉脈間の黄化、縮葉の症状を示し、さらに症状が進むと、葉はちりめん状となり萎縮症状を示す。発病前に着果した果実は正常に発育するが、発病後の花は蕾のまま落下する場合が多く、開花しても結実しないことが多い。トマト黄化葉巻病とは、ほぼ同様の症状を示すため、病徴のみで、トマト黄化萎縮病とトマト黄化葉巻病を識別することは難しい。

 

 

2)伝染経路

 トマト黄化葉巻病と伝染経路は同じ。ただし、媒介虫はシルバーリーフコナジラミの近縁種のタバココナジラミ。両種の識別は困難。本病原ウイルスは、タバココナジラミによって媒介される。このコナジラミが、罹病植物を吸汁することでウイルスを体内に短時間に取り込み、10日間以上も伝染能力を保持できる。経卵伝染はしない。接触伝染、種子伝染及び土壌伝染は確認されていない。

 

3)ウイルス(TbLCV)の寄主範囲

 トマト、タバコ、チョウセンアサガオ、スイカズラなどで確認されている。

 ナスには潜伏感染する。

 

 

 

 

トマト黄化萎縮病発生状況

○防除対策

1)発病株を見つけたら速やかに抜き取り、土中に埋めるなどタバココナジラミに吸汁されないように処分する。また、伝染源であるスイカズラを除去する。

2)タバココナジラミは多くの植物に寄生するので、ハウス周辺の雑草を除去する。

3)媒介昆虫であるタバココナジラミを防除する。

4)タバココナジラミのハウス内への侵入を防ぐために、すべての開口部に防虫ネットを張る。

 

外部リン日本植物病名データベース

トマト黄化萎縮病(外部サイト)

 

 

 

 

 

 

 

 

図トマト黄化萎縮病発生状況

 

トマト黄化萎縮病1

トマト黄化萎縮病2

 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
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