○作物名:トマト
○病害虫名:トマトハモグリバエ
(LiriomyzasativaeBLANCHARD)
○概要
平成13年11月、大社町の抑制栽培トマト(ハウス桃太郎)においてハモグリバエ類による被害が発生した。採集した成虫の同定を京都府病害虫防除所に依頼したところ、本種であることが確認された。国内では1999年に沖縄県で初確認されたが、2001年12月7日現在、西日本を中心とする21都府県で確認されている。
○形態と生態
1)形態:成虫は黄色のハエ(体長約2mm)で、幼虫は淡黄色、蛹は茶色の俵形である。他によく似た種類(マメハモグリバエ、ナスハモグリバエ等)がおり、肉眼での識別は困難である。正確な同定には顕微鏡下で雄交尾器を調べる必要がある。
2)生態:1世代に要する期間は20℃で27日、25℃で18日である。卵は葉肉中に産卵され、孵化した幼虫は食害しつつ成長し、葉から脱出後、地表面付近あるいは葉上で蛹化する。
○被害
幼虫の食害痕は葉に不規則な線状となって現れ、発生が著しい場合には減収する(図)。
○主な寄主植物
ウリ科、ナス科、マメ科、キク科、アブラナ科、アオイ科等極めて多くの植物に寄生し、マメハモグリバエではあまり問題にならなかったウリ科での被害が多いという報告もある。
○防除対策
1)薬剤防除する。
2)苗の段階で絵描き状の食害痕に注意し、本種が寄生した苗を購入しない。
3)ハウスでは開口部を寒冷紗で覆い(0.8mm以下)、成虫の侵入を防ぐ。
4)圃場周辺部の雑草除去に努める。また、残さは土に埋めるか焼却し、施設外部に放置しない。
図トマト被害葉
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