○作物名:トマト
○病害名:青枯病、軟腐病
○概要
青枯病、軟腐病とも、細菌によって引き起こされる病害で、しおれから枯死へと被害が進行する。とくに青枯病は、いったん発生すると被害が大きい。島根県においては、大正初年頃から発生がみられた。
○病徴と診断
青枯病
根や茎が侵される。はじめ茎や葉が日中には水分を失ったようにしおれ、数日間は朝夕や曇雨天のときには回復するが、やがて急速に病勢が進んで青いまま枯死する。萎ちょう病と似ているが、被害茎の地面に近い部分を切ってみると、導管部がやや褐変しており、その部分から乳白色の粘液がでることで区別できる。また切り口を水中にいれておくと、数分のうちに病原細菌が粘液となって、乳白色のすじ状に流れ出る。根は発病の初期にはとくに変化がないが、病勢が進むと細根や支根が褐変ないし暗褐色に変色して腐敗する。
軟腐病
茎、果実を侵す。茎では芽かき痕や誘引ひもにふれている部分などが水浸状に黒ずみ、指でおさえると茎が割れて内部から腐敗した汁がでる。さらにすすむと、皮層部だけを残してずい部が腐敗してなくなり、倒伏する。青枯病に似ているが、青枯病は導管が褐変するのに対し、本病では茎のずいの部分のみが腐敗すること、ものが腐ったような悪臭を出すことなどにより区別できる。
○発生生態
青枯病
被害茎葉や根とともに土壌中で長期間生存し、土壌伝染する。また病原細菌は水によって運ばれ、根の傷口から侵入するので、排水不良、耕作による根の損傷および線虫の発生は、この病害の発生を助長する。30℃以上の高温の時期に、多湿地で発生しやすい。
軟腐病
アブラナ科、ナス科などを侵す。病原細菌は、通常は雑草や栽培植物の根の回りに存在し、とくに寄生植物の根圏では集落をつくって生存している。土壌中の病原細菌は降雨の際に土粒とともにはね上がり、茎葉の摘芽や風雨によってできた傷口から侵入する。高温の時期に降雨が続くと多発生する。
○外部リンク日本植物病名データベース
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