○作物名:ネギ、タマネギ
○虫害名:ネギアザミウマ
○概要
ネギ類の害虫として世界的に知られているが、、キュウリ、キャベツ、エンドウなどの野菜のほか、ダリア、カーネーションなどの花き類での被害も近年多くなっている。わが国ではこれまで雄はいなかったが、昭和63年に島根県で始めて雄を発見した。本県では雌だけで世代を繰り返す系統(単性生殖)と雄と雌が出現する系統(両性生殖)の2種類が生息する。
○被害と診断
成・幼虫とも茎葉や花の中に生息し、表皮組織から吸汁加害する。加害部は銀白色になり、激発すると株が萎ちょうし枯死することもある。島根県のタマネギでは、本種の発生期までに収穫を終えている場合が多く実害は少ない。しかし、採種用では花に寄生するので結実が妨げられ、葉ネギでは被害が著しく、商品価値が損なわれる。とくに周年栽培する作型では被害が大きい。また、本種はトマト黄化えそ病ウィルスを媒介する。
成虫は体長約1mm、全体淡黄〜灰黄色であるが、気温が低いと体色は濃くなる。幼虫と蛹は全体が白色〜淡黄色で、紡錘形である。土中や葉の隙間などで蛹となる。この虫は非常に小さいため見つけにくいが、葉が二つに折れ曲がった部分や葉の基部を広げると群生しているのが見られる。
○発生生態
島根県では年に10回以上発生する。冬でも幼虫・蛹・成虫が見られ、5月以降に増加する。卵は植物の組織内に1個ずつ産みつけられる。25℃での発育期間は卵が5日、幼虫・蛹期間が約9日、成虫になってから産卵し始めるまでが2〜3日である。成虫の寿命は20日前後である。増加力は大きく、1匹の雌が100〜200個の卵を生む。ネギ類のほかキャベツ、エンドウ、メロン、キュウリ、ナス、ダイズ、ダリア、カーネーション、グラジオラスなどの多くの野菜、花き類に寄生する。
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