○作物名:キュウリ、メロン、ナス
○虫害名:ワタアブラムシ
○概要
成虫と幼虫が主に葉裏に寄生し吸汁するほかウイルス病を媒介する重要な害虫で、キュウリだけでなくメロン、ナス、ピ−マン、イチゴなど多くの作物に寄生する。モモアカアブラムシとともに代表的なアブラムシであり、近年、県内各地で薬剤に対する抵抗性ワタアブラムシが多発し、防除が困難になるなどして大きな問題になっている。
○被害と診断
成虫と幼虫が新葉に多数寄生すると葉は縮れて丸くなり生育がとまる。生長した葉では縮れたりすることはないが、発生が多いと葉が垂れ下がり、草勢が衰える。また、花着きが悪くなったり、果実の肥大が遅れるなど影響が大きい。とくに幼苗に寄生すると生育が非常に遅れ、株が枯死する場合もある。なお、本種はキュウリモザイクウイルスなどのウイルス病も媒介する(ウイルス病についてはP.73参照)。
キュウリなどでは最初、有翅虫が飛来し、無翅虫を産み急激に増加する。
無翅虫は体色が黄色〜緑色、濃緑色〜ほとんど黒色に見えるほどの変化があり、体に少量の白粉をつけることもある。体長は1〜2mmである。有翅虫は黄緑色〜青緑色で体長は約1.5mmである。
○発生生態
本種は発育が速く、春と秋では10〜15日であるが、盛夏期には5〜7日で成虫になり、1年に10世代以上をくりかえす。卵あるいは成、幼虫で越冬する。卵での越冬はムクゲ、クロウメモドキなどで行われ、成虫と幼虫での越冬はイヌノフグリ類やナズナ、キク、イチゴなどで行われる。それぞれの越冬植物上で4月から6月にかけて有翅虫が発生し、各種植物に移動する。
一般的に発生は6〜8月の初夏〜盛夏期に多く、夏はサトイモの葉裏に多く見られる。晩秋の10〜11月になると卵で越冬するものは越冬植物に移動する。
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