○作物名:レタス、ナス
○虫害名:ネキリムシ
○概要
レタスやナスなどの野菜類の苗の地際部を食いきり、土中に持ち込むのがこの虫で、島根県ではネキリムシやキリジとか呼ばれている。夜間加害するのでヨトウとも言われているが、ヨトウガなどとは種類、被害、防除法が異なる。ネキリムシには数種類いるが、島根県ではカブラヤガが多い。
○被害と診断
ネキリムシ類の加害植物は極めて多く、被害の多い作物はレタスのほかダイコン、キャベツ、ハクサイ、カブ、ナス、トマト、ピーマン、ニンジン、ゴボウ、ホウレンソウ、ネギ、イチゴ、アズキ、ダイズ、サツマイモなどである。
特徴的な被害は苗の地際部の切断である。生育が進んで硬くなった葉や茎は好まない。被害が問題となるのは発芽後および定植後間もない幼苗期である。しかし茎がいつまでも柔らかいレタスのような葉菜類はその生育期間をとおして加害される。
ふ化後の幼虫は地上に生息し、下葉あるいは心葉を食害する。この頃は摂食量も少なく実害はないが、体長が10mmを越えると好んで生長点の心葉を食ったり、地際の柔らかい茎を切断したりする。また、株を土中に引き込んで食べたり、枯らしたりする。被害は年中見られるが、多いのは4〜6月と9〜10月である。成虫や蛹、卵はあまり目につかない。老熟幼虫は体長が約40mm、頭部は黒褐色、胴部は暗灰〜暗緑色で一面に細かい隆起があり、サメ肌状である。
○発生生態
年3〜4回発生し、幼虫で越冬する。成虫の発生は5月上旬、7月上旬、9月中旬である。成虫は雑草や栽培植物の地際の古い葉とか枯葉に1〜2個ずつ産卵する。4齢以降の幼虫はほとんど土の中にいる。好適条件下では卵期間は4〜5日、幼虫期間は30〜32日、蛹期間は約16日である。
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