○作物名:ナシ
○病害虫名:萎縮病
○病原名:Fomitiporiasp.
○概要
平成24年6月、県内のナシ園(品種:幸水)において、葉の波打ちや小形化、葉縁の黒変症状を示す樹が1本確認された(写真1)。3本の主枝の内1本で本症状が認められ、その主枝の基部を切断したところ、内部に腐朽が確認された(写真2)。そこで、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所に診断を依頼したところ、Fomitiporiasp.による萎縮病であることが判明した。
なお、本症状は日本各地でかなり以前より報告されていたが、長年原因が不明であった。平成23年にFomitiporiasp.による病害であることが千葉県で判明している。
○発生生態
1)病徴
春先の展葉直後の葉に波打ちや小形化、葉縁の黒変症状を、また果実では小形化、奇形を引き起こす。初め枝単位で症状が現れるが、症状が激しくなると他の枝にも症状が現れ、最終的には樹全体の枯死に至る。そのような症状のある主幹や主枝の内部には腐朽がみられる。
2)伝染経路
子実体から飛散する担子胞子が伝染源であると考えられる。
3)寄主範囲
Fomitiporia属菌は多犯性であり、多くの樹種に材質腐朽を引き起こすと考えられる。
4)感染しやすい樹体の特徴
1.多くの品種で発生が確認されているが、特に幸水で多い。
2.老木で発生が多い。
○防除対策
1)子実体を見つけたら子実体を除去する。
2)枯死枝、切株を園内に放置せずに処分する。
写真1ナシ萎縮病(葉の波打ち、小形化、葉縁の黒変)
写真2主枝内部の腐朽
お問い合わせ先
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