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○作物名:ナシ

○虫害名:コナカイガラムシ類

 


被害の様子○概要
ナシを加害する主要種はクワコナガイガラムシである。この他、フジコナカイガラムシの加害もみられる。果実の被害は有袋栽培で多く、無袋栽培では問題とならない。クワコナカイガラムシはカンキツ、リンゴ、ウメ、ブドウ、フジコナガイガラムシはブドウ、カキ、カンキツにも寄生する。

○被害と診断
果実、葉、新梢、枝、幹などから汁液を吸うが、被害は主に果実に現れる。果実では吸汁された部分がややくぼみ、収穫期になっても緑色のままで着色しない。花頂部や果梗基部のくぼみは寄生に適しており、この部分が集中的に加害されることが多い。このような場所では、たくさんの虫が寄生するため排泄物にすす病が発生することが多い。
クワコナカイガラムシ雌成虫は体長3.0〜4.5mm、楕円形で体が白い粉状のろう物質で覆われている。粉を取り除くと虫体は淡黄色である。体の周りには17対の毛があり、尾端の1対は長い。ふ化幼虫は淡黄色であるが、2齢幼虫になると白い粉で覆われる。卵は淡黄色で白い綿状の卵のうのなかに200〜400個が産みつけられる。フジコナカイガラムシ雌成虫は体長2.4〜4.0mm、楕円形で白い粉状のろう物質で薄く覆われている。粉を取り除くと虫体は暗褐色〜赤褐色である。卵は黄褐色で白い綿状の卵のうのなかにある。

○発生生態
クワコナカイガラムシは年3回発生する。越冬は樹皮間隙や枝の切り口、ナシノカワモグリの被害部などに産みつけられた卵のうのなかの卵で行われる。越冬卵は4月下旬〜5月中旬にふ化する。ふ化幼虫は葉柄の基部や葉裏の主脈をしばらく吸汁したのち、果実や剪定した切り口などに移動して加害する。越冬世代成虫は6月に現れ、6月下旬頃から袋の止め金付近や樹皮間隙などに産卵する。第1世代幼虫は7月上旬頃から現れ、袋のなかに侵入して果実を加害するものも多い。その後、第1世代成虫は7月下旬〜8月中旬、第2世代成虫は9月下旬〜11月上旬に発生する。10月中旬頃になると第2世代成虫は越冬卵を産み始める。フジコナカイガラムシは幼虫で越冬し、年3回発生する。

 

 

 

 


 

 

 


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