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○作物名:ナシ

○虫害名:ハダニ類

 


被害とダニの写真○概要
ナシを加害する主要種はミカンハダニ、カンザワハダニ、ナミハダニである。島根県ではミカンハダニ、カンザワハダニは普通にみられ、ナミハダニの寄生加害はすくない。

○被害と診断
被害は主に葉に現れるが、ときには幼果に発生することもある。ハダニに寄生された葉は葉色があせ、葉焼けをおこしやすく、早期落葉する。被害葉は養分の貯蓄や蒸散作用が著しく損なわれ、玉太りや果色が悪くなるばかりでなく、糖度も低くなるなど果実の品質を低下させる。さらに樹勢が弱くなり、翌年の着果量も少なくなり、果実生産に与える悪影響も大きい。カンザワハダニ、ナミハダニが花や幼果を加害すると果頂部がコルク化した傷果や変形果となる。ミカンハダニは葉の両面から、他の2種は葉裏から汁液を吸う。
ミカンハダニ雌成虫は体長0.5mm、暗赤褐色卵形で背面の瘤から太い毛が生えている。卵は赤色、偏平な球形で頂部に柄がある。カンザワハダニ雌成虫は体長0.5mmで暗赤色であるが、越冬雌は鮮紅色である。卵は透明〜淡赤色である。ナミハダニ雌成虫は体長0.6mm、淡黄白色〜淡緑色で体の両側に楕円形の黒紋があるが、越冬雌は朱色である。卵は淡黄白色球形である。

○発生生態
ハダニは発育が早く、上記の3種は1年間におよそ10回の発生を繰り返している。
カンザワハダニとナミハダニは雌成虫が樹皮、落葉や下草、誘引縄などの間隙に入って越冬する。この雌成虫は2月下旬〜4月中旬に順次越冬場所を離れ、剪定した切り口や芽に集まっているが、花芽がふくらむ3月下旬頃になると花芽の中へ侵入して吸汁加害する。葉では葉裏に寄生して増殖し、発生が多い時期は7〜8月である。10月上旬〜11月上旬に樹皮間隙などの越冬場所に移動する。ミカンハダニは短果枝や若枝の基部に産みつけられた休眠卵で越冬する。休眠卵は4月中旬〜5月上旬にふ化し、幼虫は花そう葉などに寄生する。

 

 

 

 


 

 

 


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