○作物名:ナシ
○虫害名:アブラムシ類
○概要
ナシを加害する主要種はナシノアブラムシ、ミカンミドリアブラムシ(ユキヤナギアブラムシ)、ワタアブラムシである。この他、ナシミドリオオアブラムシも加害する。
○被害と診断
被害はほとんどの場合新梢や若葉に限られるが、ナシミドリオオアブラムシでは主に成葉に発生する。成虫や幼虫が寄生して汁液を吸うため、新梢の生育が妨げられ葉が巻いたり、硬化する。
ナシノアブラムシは主に新梢葉の葉表に寄生し、葉を裏側から縦に巻く。雌成虫の体長は1.5mm〜2.0mm、体色は鮮やかな黄緑色である。
ミカンミドリアブラムシは新梢葉の葉裏に寄生し、葉を表側から横に巻く。雌成虫の体長は1.5〜2.5mm体色は緑色である。
ワタアブラムシは新梢葉の葉裏に寄生する。雌成虫の体長は1.1〜1.9mm、体色は黒色、緑色、黄色などさまざまある。
ナシミドリオオアブラムシは成葉の葉裏の主脈に沿って整然と並んで寄生しているため、別名ギョウレツアブラムシといわれている。被害葉は黄化して落葉する。無翅雌成虫は体長3.5mmで淡緑色、有翅雌成虫は灰褐色である。
○発生生態
ナシノアブラムシは芽の基部などに産みつけられた卵で越冬する。越冬卵はナシが発芽する頃にふ化し、5〜6月に発生が多い。その後、ハマスゲ、コブシなどに移動して増殖する。9月頃になると再びナシに飛来して増殖し、10〜11月に越冬卵を産みつける。
ミカンミドリアブラムシはユキヤナギ、コデマリなどの芽に産みつけられて卵で越冬する。5月中旬頃ナシに飛来して増殖し、6〜7月に発生が多い。
ワタアブラムシはムクゲなどの枝上に産みつけられた卵で越冬する。5月中旬頃ナシに飛来して増殖し、6〜7月に発生が多い。
ナシミドリオオアブラムシはビワ、モッコクなどの常緑樹の葉裏に産みつけられた卵で越冬する。5月下旬頃ナシに飛来して9月頃まで増殖するが、盛夏期に発生が多い。10月になるとビワなどに移動して越冬卵を産む。
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