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○作物名:ナシ

○病害名:黒斑病

 


黒班病の病徴写真○概要
この病害は二十世紀ナシ栽培上、最も重要な病害で、小袋、大袋を掛け果実を保護する袋掛け栽培がふつうとなっている。また新水などにも発生するが、幸水、豊水、長十郎には全く発生しない。近年、いままで発病が見られなかった二十世紀の成葉にも発病が見られたり、また雌ずいから病原菌が感染し、幼果の落果を引き起こすなど、多発傾向にある。

○病徴と診断
葉、果実、新梢などに発生する。若葉でははじめ黒色の小斑点ができ、しだいに拡大して周囲がやや橙黄色で同心輪紋状の不正形病斑をつくる。発病した葉の多くは、上面に歪んで波打った状態となる。二十世紀の果実では幼果、成熟果に関係なく発病するが、幼果では丸い、小さな黒点ができ、しばらくしてくぼみ、果実が肥大するとともに急速に病斑は拡大して、亀裂ができやがて落果する。また成熟果では同心輪紋状の軟腐病斑をつくる。新梢では、円形または楕円形の小さな黒褐色の斑点ができ、のちにくぼんで亀裂を生じ、カサブタ状になる。徒長枝の頂芽などの発病した芽は枯死して、いわゆるぼけ芽となる。

○発生生態
枝や芽で越冬し、3月下旬ころから胞子をつくり始め、ナシの生育期間を通じて伝染源となる。風雨で飛散した胞子は葉、果実、枝について侵入感染して発病する。そして病斑の上に新たな胞子をつくって、次から次ぎへと二次伝染する。
袋かけ栽培の二十世紀では、小袋かけまでの胞子形成量が多いと、胞子のついた幼果を小袋で包み込むことになり、発病し落果する果実が多くなる。無袋栽培の新水では、6月上〜中旬ごろ、降雨の多い年に幼果に多発する。盛夏には降雨が少ないので伝染は少なく、8月下旬ころから成熟果、秋伸びした若葉などで発病がみられる。

 

 

 

外部リン日本植物病名データベース

ナシ黒斑病(外部サイト)

 

 

 

 

発病状況、幼果、枝の病斑、黒斑病菌
幼果1幼果2枝の病徴写真1枝の病徴写真2病菌の写真

 

 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
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